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「神聖なる研ぎ」(佐賀県三養基郡みやき町)
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「研ぎ」一筋56年。
どんな包丁もその手にかかれば名刀に生まれ変わると言われ、名だたる料理人が惚れ込む伝説の包丁研ぎ師・坂下勝美さん。
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坂下さんの「研ぎ」の特徴は、「刃先」と「しのぎ」の間を研いで「くぼみ」を作ること。
包丁が切れないというのは、刃先が丸くなっているのではなく、しのぎと食材による接地面の摩擦からくることがほとんどだと語る。
つまり間に「くぼみ」を作ることで空気の通り道ができて、「切れる」包丁に仕上がるという。
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坂下さんのもう一つの特徴は独自に作り上げた「丸みのある砥石」を使っていること。
包丁は刃元から刃先に向かって薄くなり、反りも出る。刺身を「引く」という動作も同じで弧を描くような円運動。
つまりは「円の集合体」であるという。
そうすると、砥石も包丁に合わせて「円」でなくてはいけないと語る。
それらの技術を持って、使い手の身長や腕の長さ、使い方など見聞きした上でその人に合った、唯一無二の「研ぎ」が完成する。
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そんな坂下さんが未来に残したい風景は「綾部八幡神社から見るみやき町」
石階段を登り切った先にある楼門から振り返るとみやき町が広がる。
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「研ぐ」という漢字は「石」に「鳥居」。
研ぐという行為には神聖なものがあると語る坂下さん。
みやき町を支えるこの綾部八幡神社のように、料理人を支え続ける研ぎ師であると誓う。
※この記事は2022年の情報です(「STORY」12月18日放送)。