日田祇園へGO!週末おすすめ日田トリップ!木の香に抱かれる、時を紡ぐ宿「伯亭 若の屋」へ(大分県・日田市)【まち歩き】

江戸時代の空気を残す大分県日田市豆田町。石畳を歩くと、どこか懐かしい佇まいが目に留まります。創業155年の老舗旅館「伯亭 若の屋」。明治から昭和、そして令和へと、変わらぬ木のぬくもりを大切に守り続けてきました。今回は7代目支配人、西下賢一さんに、この宿の魅力についてお話を伺いました。

■ 贅沢に屋久杉をあしらった三階の特別室
「この部屋は、屋久杉をふんだんに使っているんですよ」と支配人に案内され、三階に上がると、木肌の香りとしっとりとした空気に包まれます。天井や柱、細部に至るまで贅沢に屋久杉をあしらった「屋久杉のお部屋」。昭和10年築のこの空間には、川端康成など多くの文人を迎えた歴史があるそうです。柔らかな光と、眼下に広がる日田盆地の景色が、訪れる人の心を静かに解いていきます。

■ 庭と語らう1階の庭園付き奥座敷
一方、1階の庭園付き奥座敷はまた違った趣を湛えています。部屋の大きな窓からは、四季折々の庭がまるで一幅の絵のように広がります。昔ながらの造りを感じる畳や欄間には、どこかほっとする懐かしさが宿っています。部屋にはバス・トイレも備えられ、家族水入らずの滞在にも心強いです。日常から切り離された静けさの中で、ゆったりと時間を重ねることができます。

■ 旬を重ねる膳の心遣い
若の屋の料理は、代々家族が大切に守り続けてきた味だといいます。料理長は支配人の弟で、女将は管理栄養士。日田の豊かな恵みと四季の素材を見極め、旬を一番おいしいかたちで届けています。豊後牛のステーキや季節の茶碗蒸し、地元の新鮮な野菜や魚など、支配人がソムリエの資格を活かし、料理に寄り添うお酒を選んでくれるのもこの宿ならではの楽しみです。

■ 木の香に包まれる貸切の湯
「ここの水はやわらかいんですよ」と支配人は教えてくれました。湯船をのぞくと、ほのかに香る檜の匂いが心地よいです。館内には趣の異なる2つの貸切風呂が用意されています。檜風呂は香りが浴室に満ち、肌当たりもやわらか。もうひとつの家族風呂は広々としていて、家族や親しい人とゆっくり過ごすのにぴったりです。

■ 祝いの席を紡ぐお座敷
若の屋は、結婚や還暦のお祝い、法事など大切な集いの場としても長い歴史を重ねてきました。人数や目的に合わせた会席料理や祝い膳、季節の花の演出など、心に残る一日を整えるお手伝いがここでは自然に息づいています。歴史ある部屋で家族の物語を重ねるひととき。地域の人々にとって、この旅館はきっと大切な思い出が重なる場所なのだと感じました。

■ 祭りと暮らしが息づく町で
祇園祭の山鉾が通るこの通りは、祭りと暮らしが混ざり合っています。「僕も子どものころからずっと祭りに関わってきました」と支配人は微笑んでいました。観光地でありながら、ここには住む人たちの穏やかな日常が息づいています。古い町並みを歩きながら、いつか見た景色に出会ったような不思議な懐かしさを覚えました。

ここには、いつもの日常から少し離れて、自分をそっとほどく時間があります。伯亭 若の屋で一晩を過ごし、木の香りと静けさに身をゆだねてみませんか。きっと心に残る特別な滞在になるはずです。


■ 『伯亭 若の屋』
住所:大分県日田市豆田町7-31
電話:0973-24-3737
駐車場:あり
公式HP https://www.wakanoya.com/index.html

Instagram @wakanoya1870
https://www.instagram.com/wakanoya1870/

URL:https://www.instagram.com/wakanoya1870/

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