ラーメン&チキンライス。福岡県大木町の新名物に認定します!「久留米軒」~ふるさとWish 大木町 年間300杯! 豚骨戦士 福岡のラーメンを斬る!VOL.7~

大木町「久留米軒」のラーメン(¥450)、チキンライス(¥500)

大木町の名産といえば、イチゴ、エノキ、アスパラなど。それら地元の食材をふんだんに使う「道の駅 おおき」のブッフェレストランには何度か訪れたことはあったが、考えてみたらラーメンを食べた記憶はない。
しかし、豚骨ラーメンの聖地・久留米と大牟田の間にある町だもの。きっと地元に根付くソウルフード的な一杯があるはず。大木町を走りリサーチを重ねた末、プッシュしたい名店を見つけた。
その名は「久留米軒」。

皆が帰ってくる、優しい味の豚骨ラーメン

創業50年を超える「久留米軒」。赤い暖簾が目印

店先に駐車場を備えたドライブインスタイルで、パタパタ揺れる真っ赤な暖簾。
中に入るとコンクリート打ちっぱなしの床に、古びた畳張りの小上がりがある。初来店、食べる前に「ここは間違いない」と確信。皆さんも頷いていただけると思うが、長く続く地元の“愛され店”というのは、レトロ感の中にどこか品が漂っているもの。飾りっけのない店内。しかし、細部まで掃除が行き届き、店主の温かい人柄も想像できる。きっとラーメンも丁寧に作っているに違いない。「久留米軒」はそういう店である。

メニューを見ながら、ラーメン(¥450、安い!)と、サイドメニューに焼飯をオーダーしようと思っていたら、横にチキンライスの文字を発見。この昭和レトロな雰囲気でチキンライスっていわれたら無性に食べたくなる! 純喫茶にクリームソーダがあった時のような感じ。
ラーメン&チキンライスを頼み、待っている間カウンター越しに厨房を見させてもらう。筆者の勝手な見方だが、ラーメン店のいわゆる“レトロ度”を推し量る場合、店のしつらえもそうだが使っている道具に注目する。同店のように寸胴ではなく羽釜、そして、麺をテボではなく大釜で泳がせ平網ですくうスタイルの店は齢半世紀近く、または老舗で修業するなど伝統のスタイルを継承しているところが多い(現在は平網を制作する職人も少なくなった)。

チキンライスは醤油で炊いたカシワも美味しい

そして“文化財的存在のガチ老舗”の部類に入るのは、燃料が灯油の店だ。豚骨ラーメンは久留米で生まれて80年余りになるが、もともとの燃料は灯油。今ではほとんどガスに切り替わっているが、福岡市・老司「一九」、大牟田市「福龍軒」などは未だに灯油を使っている。

「久留米軒」はガスと灯油を併用していた。かなり古い店であることが分かる。

下処理、アク取りを徹底し老若男女に親しまれる一杯に

ラーメンはあっさり豚骨。脂っこさ、ギトギト感がなく塩気を程よく効かせている。最初から紅ショウガをのせているのも珍しい。そして、チキンライス。具は鶏肉とタマネギといたってシンプル。ケチャップの酸味と、豚骨スープのコクが絶妙に溶け合う名コンビだ。

ご主人に話を聞いた。

リーズナブルな価格もうれしい

「昭和40年代前半に両親が始めた店で、私たち夫婦が2代目。屋号は久留米市街に親戚が出していた食堂からとったものです。ラーメンは両親に習ったものを変えずに出しているので50年前と同じ味かと。豚頭を使わずゲンコツ、アバラ骨を炊き、余分な油、アクをしっかり取り除いているので臭みがないんですよ。昔は海苔をのせていたのでジャンルで言うと久留米ラーメンなんでしょうかね。久留米と博多ラーメンの中間と言うお客様もいらっしゃいます」

ラーメン&チキンライス。福岡県大木町の新名物に認定します!「久留米軒」~ふるさとWish 大木町 年間300杯! 豚骨戦士 福岡のラーメンを斬る!VOL.7~
リーズナブルな価格もうれしい
「久留米軒」は11:00~13:30と昼のみの営業。
ラーメンボーダーレス時代の昨今、原点回帰を促すような一杯だ。

※この記事は2019年の情報です。内容は変更している可能性があります。事前にご確認ください。

久留米軒

住所:三潴郡大木町横溝126
電話番号:0944-32-1307
営業時間:11:00~13:30
定休日:定休日:日曜日

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