子どもたちを笑顔に!日本中で活躍する地元劇団の舞台裏~ふるさとWish須恵町~
福岡県の東部に位置する須恵町。新原公園内にある「海軍炭鉱創業記念碑」など、炭鉱事業にまつわるものが町のシンボルになっています。須恵町から粕屋炭田の開発がはじまり、石炭の力で日本に活気をもたらす原動力として大いに賑わっていた名残なのです。
2020年1月28日(火)放送、九州朝日放送の情報番組「アサデス。KBC」の「ふるさとWish アサデス。旅行社」では、そんな須恵町に日本中で活躍している劇団がある」という情報をピックアップ。早速、現地に向かいました。
日本中に笑顔を届ける劇団?!
英語でのお笑いライブを開催し、スタンドアップコメディ大会で優勝した実力の持ち主でもあるボビー。今回のミッションには、いつも以上に熱が入っている様子。「早速、聞き込み!」と町で出会った人に次々と声をかけていきます。しかしながら、「劇団?聞いたことないな…」と、あまり地元では知られていない様子。そこで以前、その劇団が公演に訪れたという地元の幼稚園で聞いてみることにしました。
「劇団さんぽですよね。幼児向けの楽しく、おもしろい舞台で子どもたちを惹きつけてくれましたよ」と総園長・藤野敏郎さん。当時の写真を見せてくれながら、子どもたちがいかに舞台に夢中だったかを語ってくれました。どんな劇団なのかとボビーが尋ねると、「町にとってもありがたい存在ですよ。全国で活躍しているし、子どもたちを笑顔にしてくれる劇団があるのは町の誇りです」と藤野園長。一体、どんな劇団なのでしょうか?
児童が大興奮する「劇団さんぽ」の舞台
早速、劇団事務所へ向かうボビー。すると、「あら~ボビーさん!いつも見てますよ!」と、とっても明るく朗らかな笑顔の皆さんが出迎えてくれました。
現在、出演者・裏方合わせて10人ほどのメンバーが所属する「劇団さんぽ」。小規模ながらも、「プロの役者として全国を飛び回っています」と俳優・演出担当の長島宏さんの言葉通り、全国各地で子どもたちに楽しい芝居を届けている役者一本のプロ集団です。取材したその日も、午前中の講演を終え、戻ってきたばかり。早速、どんな舞台なのか舞台映像を見せてもらいました。
演目はアヒルとガチョウの友情を描く「ぼくのたからもの」。似ているようで、性格も歩く速さも鳴き声も違う者同士が、さまざまなものに出会いながらお互いを認め合い、次第にかけがえのない大事な存在になっていくお話しです。舞台を見ているのは1~6歳の園児たち。
「うしろ!うしろ!」、「あっちだよ!」。舞台を食い入るように見つめながら、主人公がピンチの時には声を出したり、指さしたりと大興奮です。その様子を見ながら、「リアクションがいい。笑顔で目がイキイキしている…」とつぶやくボビー。実は、自身のお笑いライブは1分間に6回笑いを取ればOKという基準を設けているそうで、「これ10回以上、いや、倍以上、爆笑がキテるよね」と、悔し笑いを浮かべています。
即興の演劇ゲームにボビーが挑戦!
「劇団さんぽ」は、子どもたちと一緒になって笑顔になれるお芝居を届けたいと5年前に立ち上げられました。名前の由来は、「子どもたちが一歩・二歩・“さんぽ”と、歩きだしたくなる多彩な作品の制作・公演をという思いから。以来、親子で一緒に楽しめる舞台作品をつくりたい、地元の人にももっと知ってほしいと、ビデオやテレビでは味わえない生の舞台を届けるだけでなく、須恵町の稽古場では親子で楽しむワークショップを不定期で開催しています。
早速、ボビーも「芝居の練習になる」という即興の演劇ゲームに参加してみることに。ルールはいたって簡単。まずお互いの役を決め、ワードが書かれた紙を引き、そのワードを使って会話をつなげていくという内容です。しかし、設定と関係ないワードも紛れており、話は思わぬ方向に進んでいってしまいます。実際、容疑者役のボビーと、刑事役の女優さんの即興会話は、「取り調べ」の設定だったはずが、フシギな恋愛関係へと発展し、「結局、私が盗んだのは刑事さんの心だった」とオチがついてしまいました。
子どもたちの笑顔のために…
「須恵町は空気が良く、山があって、人は人情味があり、ステキな町なんです。そうした町を拠点にして、子どもたちを楽しませる作品を届けたいと思っています。子どもがいる場所ならどこにでも行きたいですね」と長島さん。
子どもたちが生の舞台を観ることで、情緒豊かに、思いやりの心を育んでほしい。そして自然豊かな須恵町の劇団だからこそ、子どもたちが環境問題にまで思いを馳せられるように、また自然に触れるきっかけにもなればと、さまざまなテーマを取り上げる演目を展開しています。もちろん、小さな子どもたちが飽きないようにと演目時間は45分に設定、内容も表現も子どもたちが理解しやすいよう工夫されています。
「小さな子どもたちを相手に、飽きさせず、見せられるのはスゴイ!」とボビーもすっかりファンになったようです。小さな町の劇団ながら、全国各地で多くの人に笑顔を届ける大活躍を続けています。
保育園や幼稚園、小学校や学童保育所、地域の子育て事業や地域のお祭りやイベントなど、さまざまな依頼を受け付けているので、興味がある方はホームページをチェックしてみてください。また、劇団員も募集中。「子どもたちを楽しませたい!」という方、ぜひ参加してみませんか?
■一般社団法人劇団さんぽ
福岡県糟屋郡須恵町大字植木184-22
TEL:092-692-1123
ホームページ http://gekidansanpo.com/index.html
※この記事は2020年の情報です。変更している可能性があります。事前にご確認ください。