50年間1日も休まず 81歳の現役スーパー美容師 ~ふるさとWish須恵町~
先日、福岡市のホテルで行われたある表彰式。須恵町在住の美容師・岩尾 博子さんが、福岡県の美容文化向上に貢献した人に贈られる「特別功労表彰」を受けました。「励みにします!」と感極まった様子の岩尾さん。
キャリア50年以上!81歳の現役美容師
岩尾さんは半世紀にわたって須恵町で「ペルマ美容室」を営む、81歳の現役美容師!取材中も、年齢を感じさせない華麗な手さばきでお客様の髪をカットしていきます。しかも、「50年間、一日も休んだことがない。自慢じゃないけど、自慢する!」と笑顔で語る岩尾さん。使っている道具たちも、50年モノ。「50年以上使っているから、自慢の道具です。黒くなっているけれど、よく切れる」「手も自慢です。絶対に怪我をしないようにする。ちょっとでも怪我をしたら仕事ができないから」と、現役だからこその“自慢”も次々と披露してくれました。
美容師になったきっかけは、中学生の頃に母や祖母の髪を結ったときに褒められたこと。当時は、北九州の美容室に住み込みで働きながら、美容学校に通う毎日だったといいます。辞めようと思わなかった?という質問に「大変だったけど、美容師が好きだったから」と岩尾さん。
家族も地域も支えてきた大好きな「美容師」の仕事
その後なんとか美容師免許を取得し、福岡市内のテレビ局でメイクの仕事をはじめた岩尾さん。その後、当時ラジオのプロデューサーだったご主人と職場結婚します。順風満帆な人生かと思いきや、ここで困難が。「娘が生まれて、ぜんそくになったの。空気のきれいな所に行きなさいと(お医者さんに)言われた」。勤めていたテレビ局を退職し、当時は田んぼばかりだった須恵町で美容室を開くことに。「全然空気が違うの。須恵町に来て、6カ月で娘のぜんそくがよくなった」と話します。
しかし、ほっとしたのも束の間、岩尾さんにまた新たな試練が訪れます。夫の紘さんが46歳のとき、がんが発覚したのです。「大変やったよ。それは大変やった。だけど子ども達にはちゃんとした服を着せて。私は買わなくても。お金のため、子どもを育てるために働かないといけないと思っていた」と当時を振り返ります。
今も一緒に暮らしているという娘の大石 みはるさんは、母である岩尾さんを一番近くで見てきました。「母が弱音を吐くとか、聞いたことがない。1人で私と妹を大学に出してくれた。感謝しかなくて」と娘さんから見ても、素敵なお母さんだったといいます。
50年営み続けてきた岩尾さんの「ペルマ美容室」は、今では須恵町に欠かせない存在になっています。常連のお客さんに話を聞くと、「髪型のオーダーはしない。“カットしてください”だけで、上手にしてくれるからお任せ。(岩尾さんが)病気でもしたら困るわ~」と全幅の信頼を寄せている様子。カットが終わると、お客さんにも岩尾さんにも笑顔が。
「いつまでも、かっこよくありたい。100歳までも。お客さんもキレイにして、私もキレイにしとく。それが私のモットーやけ(だから)。女性はいくつになっても、100歳になっても、キレイがいい」と岩尾さんは語ります。
素敵な笑顔の岩尾さんやお店の常連さんには、「ふるさとWish須恵町」のCMにも登場していただきました!自身の美に気を配りながら、周りの方も美しく、そして笑顔にしてくれる不思議なパワーを持つ岩尾さん。これからも、須恵町の女性の“美”を守り続けてください!
ペルマ美容室
住所:福岡県糟屋郡須惠町大字植木721-5
TEL:092-935-1093
※この記事は2020年の情報です(「シリタカ!」1月29日放送)。内容は変更している可能性があります。事前にご確認ください。