新たな町おこしの起爆剤は、市民が愛した青春の味?!~ふるさとWish直方市~(2/2)
どうして「焼きスパ」なのか―。それは、市民の忘れがたい青春の味だから
なぜ今、この「焼きスパ」がアツいのか―。それを教えてくれたのは、変わり種「焼きスパ」を販売する焼き立てパンの店「ベルン(直方市感田)」の戸畑あきさん。「焼きスパは、昔直方にあった、喫茶店の人気メニューで、入学式や合格発表の後など、節目節目に市民が足を運んだ思い出の味なんですよ」。そこでかつて、その喫茶店があったという商店街へ。声をかけた商店街店主の田中紀子さんは、「絶対においしい!間違いないおいしさでした!」と当時の味を思い出したようで、興奮気味に語ります。
「焼きスパ」は、1980年~90年代、直方市の商店街内にあった喫茶店「夕やけ」の独自メニュー。ケチャップのきいたナポリタンを焼いたその料理は、若者や学生の空腹を満たし、庶民の味として広く知られた、まさに「青春の味」だったのです。
今回、「夕やけ」を経営していた奥薗緑さんに、特別に当時の「焼きスパ」を再現して頂きました。部活帰りの学生もお腹いっぱいになるよう、具材たっぷりな上に、千切りキャベツも添えられています。これを最初は380円、閉店する頃には450円という破格の値段で提供していたといいます。
多くの人で賑わい、活気にあふれた商店街も次第に、シャッターが降りたままの店が増加。「夕やけ」も閉店し、「焼きスパ」も姿を消しました。しかし近年、「あの頃の街の活気を取り戻したい」という声で、「焼きスパ」が復活。当時の味を忘れられなかった街の人々により一気に広がり、飲食店で提供されるだけでなく、「焼きスパ広め隊」なども結成され、市内だけでなく、県外各地へも直方のご当地グルメとして「焼きスパ」を広めています。
「夕やけ」の味を忠実に受け継ぐ店もあれば、フレンチ風、石焼き風、スパイシー風などさまざまな味が楽しめる「焼きスパ」。かつて街の若者が愛した味が受け継がれ、アツ~い活気を巻き起こしている直方市を訪れた際は、ぜひ味わってみて下さい!
※この記事は2019年の情報です。変更している可能性があります。事前にご確認ください。