髄・肉・皮が醸す濃厚スープに豚の底力をみる 「まぁ亭」 ふるさとWish 直方市 ~年間300杯! 豚骨戦士 福岡のラーメンを斬る!VOL.13~

濃厚豚骨派を唸らせる福岡・直方市の気鋭店

直方市「まぁ亭」の豚骨ラーメン(¥600)。注文後に炙るチャーシューの香ばしい肉汁がスープに染み出す

「濃厚濃密で口当たりなめらか。そして後味はすっきりしている」。今回紹介する福岡県直方市「まぁ亭」の“直球”豚骨ラーメンを啜れば、きっとこんな印象をもつはずだ。店主は田川出身の緒方優(まさる)さん。本連載VOL.2で紹介した福智町の名店「ラーメンまむし」(ぎょらん亭イズムを継ぐ店)で修業を積んだ。とろみ、重厚感の元となるのは油ではなく、大量の豚骨から染み出るコラーゲン。師匠に習い、新鮮さにもこだわった“取りきり”手法をとる。

店主の緒方優さん(昭和47年田川出身)。ラーメン好きが高じて脱サラ後、41歳で自身の店を開いた

「ラードや背脂はいっさい入れず、豚のモモ骨だけをふんだんに使っています。同じ部位でも骨に肉がついたもの、皮まで残っているものと状態がさまざま。それらのバランスをみながら寸胴に入れ、約14時間ガツンと煮込んでいます」と緒方さん。

店内奥にあるスープ室。終盤は寸胴の底が焦げ付かないように付きっきりで混ぜる

豚骨を一度湯がいた後、臭みの元となる血合いを丁寧に手作業で取り除き、さらに砕けるまで炊いていく。髄、肉、皮と豚の旨味が凝縮されたスープ。なめらかでシルキーな口当たりは、目の細かい網で複数回濾すことで生まれている。

緒方さんがこだわる豚のモモ骨。肉や皮からも旨味が出る

そして、別取りした鶏ガラスープをブレンドし、濃度の異なるラーメンが楽しめるのも同店の醍醐味。通常豚骨8、鶏ガラ2の割合で合わせるが、好みの濃さにも調整可能。

戸畑の「田中製麺」の麺。小麦がフワリ香り、歯切れ、のど越しもいい

麺は戸畑の「田中製麺」から仕入れる、しなやかなコシの細ストレート。
中華鍋仕立ての「野菜たっぷりラーメン」(¥700)には“蒸し麺”を採用している。

福岡市内の豚骨とはまた違った“こってり”ラーメンが楽しめる「まぁ亭」。
チューリップが満開の遠賀川河川敷も近いので、ぜひ今春訪れてみよう。

【まぁ亭】
住所:福岡県直方市下境2585-1
電話:0949-35-7630
営業時間:11:00~15:00、17:00~21:00 ※売切れ次第終了
休み:水曜
席数:30席
駐車場:3台

※この記事は2019年の情報です。内容は変更している可能性があります。事前にご確認ください。

まぁ亭

住所:直方市下境2585-1
電話番号:0949-35-7630
営業時間:11:00~15:00/17:00~21:00 ※売切れ次第終了
定休日:定休日:水曜

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