「冬の彩り」(福岡県築上郡築上町)

築上町の山間部にある地区では、昔から冬になると各家庭で「寒田あられ」が作られ、乾燥用の網一面に彩り豊かなあられが広がる。
過疎化で作る家が減る中、寒田地区に住む吉川さんは、伝統的なおやつとして親しまれてきた「寒田あられ」を残すため、地域のおばあちゃんから作り方を学び、その味を継いだ。

吉川さんが作るあられは、寒田産のもち米にこだわり、塩・砂糖・炭酸・色粉だけという、素朴で飽きが来ない懐かしい味わいが特徴。
ついた餅をブロック状にして数日乾燥した後、餅を長さ約4センチに切り、ひび割れを防ぐために日差しや風を避けて2カ月間、ゆっくり陰干しする、昔ながらの製法で作り上げている。

山間部ということもあり、平地よりも標高がある寒田地区は、寒冷な土地柄があられ作りに適していたため、昔から作られてきたとのことだ。
吉川さんは、寒田地区の冬の風物詩になっている「寒田あられ」を受け継ぎ、さらに次の世代へ繋いでいきたいと話す。

吉川さんが未来に残したい風景は「牧の原キャンプ場の自然」。
キャンプ場の管理と、併設されている物産館の経営をしている吉川さんにとって、この場所はいつも見る慣れ親しんだ風景だ。

キャンプ場内の高台からは、向かいの山が見渡せるほか、城井川も流れており、上流ということもあり川は透き通っている。
川のせせらぎを聞いたり、杉林からのぞく木漏れ日の中での森林浴。
どこを切り取っても大好きな景色であり、当たり前過ぎて関心がなかった「自然」の魅力を気付かせてくれた原点の場所だ。

※この記事は2023年の情報です(「STORY」2月26日放送)。

STORY#145_まこちの里

住所:福岡県築上郡築上町寒田2005-3
電話番号:0930-54-0111

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