【福岡韓国通信】『横尾商店』博多でキムチを作り続けて半世紀。人情&愛情たっぷりの絶品キムチ!
一度食べたらやみつき!先代の意思を家族で紡ぐ真心こもった手作りキムチ。
コロナ禍で家飲みが増えたここ数年。友人が買ってきたキムチがあまりにも美味しくて尋ねると「博多せんしょう」の中にある「横尾商店」のものでした。その味が忘れられずにようやく念願の店舗訪問!
店頭では常連らしきお客様が店主の横尾弘美さんと楽しそうに話をしながら、さまざまなキムチを迷わずグラム単位で注文しています。
横尾商店は、基本的に100グラム単位の量り売りで購入できる昔ながらのシステム(パック販売もあり)。常時20種類以上はあるショーケースは圧巻です。グラム100〜500円前後のお手頃な値段なので、初めての方はとりあえず100グラムずついろんな種類を試してみるのもオススメ!
店舗の一角には日本のお漬け物もずらりと並んでいます。
現在は、創業者である横尾満行さんの娘の弘美さんと加寿江さん、そして弘美さんの息子の泰河さんが、満行さんの意思を受け継いで家族経営をしています。元々は日本の漬け物店だった横尾商店。戦後「土地柄、キムチ(当時の呼称は“朝鮮漬け”)を作ってみては?」と在日韓国人の常連客に提案されて以来、長年にわたり素材の美味しさを最大限に引き出すためのキムチ作りに邁進し生涯現場主義で店頭に立ってお客様を接客していたそうです。
現在の店主である弘美さんも、どれを買おうか迷いに迷っているとどんどん試食させてくれて、どんな食材に合うか、どんな食べ方があるかを気さくに教えてくれます。
写真左上の通称「よだれアスパラ」は、秘伝のタレを使用した“よだれ”シリーズで春限定と聞いて即購入。硬い部分をすべて手作業で剥くため時間がかかるそうですが、その一手間が美味しさの秘訣。その隣の丸いものは、その名も「いちごのキモチ」。そう、いちごのデザートキムチなんです。これが意外にも絶妙に美味しい!ユニークな商品名がちらほらと目につくのは「遊び心がないとねえ!」という弘美さんのアイデア。
また、種類豊富なのはキムチだけではありません。万能調味料ヤンニンジャンや自家製もみだれ、焼肉のタレにユッケのタレ、もつ鍋スープに日本風のアゴだし味噌など料理の幅が広がりそうな調味料までそろっています。
それ以外にもさまざまな韓国食材や調理器具などが店頭に並び、“ビルの中にある市場”と言われる「博多せんしょう」の雰囲気や人情味にあふれた接客と相まって、本当に韓国のシジャン(市場)に来た気分。
ちなみにこの日は、5種類のキムチや塩辛などとヤンニンジャンをゲット。豚肉に巻いて食べたり、豆腐に乗せてみたり、味噌汁に入れてみたりとアドバイス通りに味わいました。“よだれ”シリーズのたっぷり残った秘伝タレもサラダのドレッシングとして余すことなく楽しめますよ(もちろん教えてもらいました)。
「博多せんしょう」は地下鉄の千代県庁口駅から徒歩3分。横尾商店以外にも風情ある昔ながらの専門店や業務スーパーも併設しているので、キムチに合う食材もまとめて買って帰れますね。
■ 横尾商店
住所 福岡市博多区千代3-19-1
電話 092-641-4510
営業時間 10:00〜19:00
定休日 日曜