わざわざ行きたい隠れ家!古道具・ハンドメイド・イベントも!日常に木漏れ日をくれる癒しの古民家雑貨店『zakka comorebi』(福岡・田川市)【まち歩き】

■築100年の古民家で紡ぐ、癒しと出会いの物語

田川市夏吉の住宅街の奥に現れる一軒の古民家。木の看板を目印に足を向けると、そこには現代を忙しく生きる私たちに「ゆっくりとした時間」を提供してくれる特別な空間が広がっています。
2021年11月にオープンした「zakka comorebi(雑貨こもれび)」は、古道具からハンドメイド雑貨まで幅広く取り扱う、田川市の癒しのスポットです。

■美容師から雑貨店主へ 4年間のリノベーション

店主の橋本さんは、もともと美容師として働いていました。結婚後、施設を回る美容師に転身し、昼頃には仕事が終わるように。その空いた時間を活用して、もともと好きだったガーデニングや木工制作に没頭するようになったのが、このお店の始まりでした。
「美容師をしながらハンドメイド制作をしていて、いずれは自分の店を持ちたいと思っていた時に、ここが空き家として売りに出されていたんです」。
築100年以上の古民家は、材料が不足していた時代に建てられたもの。大工である父親と共に4年の歳月をかけて、少しずつリノベーションを進めました。土だった床にセメントを入れ、天井を塗り直し、階段も作り替える大工事。最初は「お化け屋敷」状態だったという建物が、現在の温かみのある空間に生まれ変わりました。

■「木漏れ日」に込められた想い

店名の「木漏れ日」は、リノベーション中のある日に生まれました。
「外で休憩していた時、木の下に座って疲れて上を見上げたら、光が差してきたんです。『あ、ここ木漏れ日やん』って。特別な深い意味はないんですが、響きがよくて覚えてもらいやすいかなと」
シンプルな由来ですが、この言葉が表すような「日常の中のささやかな癒し」こそが、このお店のコンセプトそのものなのです。

■4つのエリアで楽しむ雑貨の世界

店内は広い2階建てで、4つのエリアに分かれています。
古道具コーナーでは、使い古された家具や生活道具、食器などを丁寧にリペア・リノベーションした品々が並びます。昔の裁縫箱をリメイクした小物入れなど、和のものを現代の暮らしに合うようにアレンジした商品が人気です。
昭和レトロコーナーで特に注目なのが、アデリアの食器コレクション。レトロでカラフルな花のイラストが特徴的な昭和当時のグラスは、現代のものとは違う重みと美しいグラデーションが魅力です。
2つのハンドメイド雑貨コーナーには、衣類やカバンから小物、アクセサリーまで、県内外の作家さんの作品が美しくディスプレイされています。
「ボックス貸しのような形ではなく、古道具と共存するような形で、作家さんの作品を綺麗にディスプレイしたかったんです。自分も作り手だから、せっかく作った作品は素敵に並べてほしいなって」

■委託作家との出会いとセレクトの基準

現在、筑豊をはじめ県内各地の作家さんの作品を委託販売しています。作家さんの選定基準は明確です。
「インスタグラムで委託募集をかけて、しっかりとした作品を提供できる方、独立してイベント出展の経験がある方を基準にしています。継続的に活動されていて、ファンがついている方を重視していますね」。
古道具については、橋本さん自身の感性を大切にしています。県外への買い付けや市場での仕入れ、時には業者からの連絡で買い取りも行います。

■地域を越えて愛される隠れ家的存在

「辺鄙なところにあるんですが、県内外からも来ていただいています。毎月来られる方もいらっしゃって、本当にありがたいです」。
田川市外からの来客が多く、行橋方面や久留米、さらには神戸から北九州旅行のついでに立ち寄る方もいるとか。人通りのない住宅街という立地は、逆に「目的を持って訪れる」特別感を演出しています。

■イベントで地域とつながる

橋本さんは店舗運営だけでなく、積極的にイベント活動も行っています。門司港グランマーケットをはじめ、各種イベントに出店。さらに、カホテラス芝生広場で開催の【よりみちマルシェ】を主催し、最大130〜140名の作家が参加する大規模なイベントも手がけています。
「趣味から仕事に持っていきたいんです。ハンドメイドという響きではなく、ブランド化していきたい。マルシェを通じて、年配の方でも遠方まで行けない方が参加できる機会を作りたいし、すごい作品を作っているのにまだ知られていない作家さんを応援したい」。
地域の作家同士の交流や情報交換の場としても、イベントの価値を感じています。

■美容師の経験を活かした独自の強み

現在は美容師の経験を活かし、自身でも帽子やヘアターバンなどの制作を手がけています。
「美容師だったので、装着の仕方やちょっとした角度、かぶり方などを一緒に提案できるんです。『年配だからターバンなんて』と言われることもありますが、実際に白髪のショートヘアの方に似合う色のターバンを提案すると、『あー!似合うじゃない!』って喜んでもらえる」。
固定観念にとらわれず、その人に本当に似合うものを提案する。これこそが橋本さんの真骨頂です。

■2階スペースと麹の魅力

2階では月に2〜3回、ランチイベントや料理レッスンを開催。特に注目なのが「ヤマグチ商店」の麹です。手作りの本格的な麹は、市販品とは質が全く違います。
「麹を使い始めたら、普通の調味料は使えなくなります。醤油麹と味噌を混ぜたらハヤシライスの素になるし、焼肉麹とマヨネーズでディップソースになったり。万能調味料なんです」。

■未来を見据えた明確なビジョン

橋本さんには明確な将来設計があります。現在は洋服作りを学んでおり、将来的にはデパートでのポップアップ展開も視野に入れています。
「2年先までの目標をロードマップで立てています。年齢を重ねることによる体力の低下を見据えて今のうちに準備したい。年配になった時も、お客さんやスタッフと楽しく過ごせるような、オーダーやリメイクもできる店にしたいんです」。

■11月末には感謝祭イベント

今年11月末には、作家さんたちと共に感謝祭イベントを開催予定。多肉植物の展示販売に加え、焚き火を囲んで音楽を楽しめるイベントを企画中です。
「各作家さんたちができることを持ち寄って、来店してくださるお客さんに喜んでもらいたい。一年の締めくくりとして、みんなで『ありがとう』を伝えるようなイベントにしたいです」。

■訪れる人それぞれの「木漏れ日」を

「日常の中でゆっくりと過ごせる癒しの場所でありたい」。
橋本さんの想いは、店名の通り木漏れ日のように優しく、来店する人それぞれの心に届いています。古道具の持つ歴史、ハンドメイド作品に込められた作家の想い、そして橋本さんの温かい人柄が織りなす特別な空間。
忙しい日常に疲れた時、新しい自分を発見したい時、そっと足を向けてみてください。きっとあなたにとっての「木漏れ日」が見つかるはずです。

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■『zakka comorebi(雑貨こもれび)』
住所: 福岡県田川市夏吉4334
電話: 080-6422-5503
営業時間:
土・日曜 11:00〜16:00
月・金曜 12:00〜16:00
※不定休のため店休日は、Instagramをご確認ください
Instagram: @zakka.comorebi
https://www.instagram.com/zakka.comorebi/
オンラインショップ: https://comorebi.official.ec/

■ zakka comorebi

住所:福岡県田川市夏吉4334
URL:https://www.instagram.com/zakka.comorebi/

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