
わざわざ買いに行きたい!もちもち食感ベーグル&店主の想いが人気の理由。衝撃的なベーグルとの出会いから始まった物語!『SUPER BAGEL』(福岡・桂川町)【まち歩き】

福岡県嘉穂郡桂川町に、ひときわ温かな雰囲気を放つベーグル専門店がある。
『SUPER BAGEL』——その名前には、夫婦の想いと子育てへの愛情、そして地域への貢献が込められている。
■大阪での「衝撃的な出会い」がすべての始まり
店主の穂坂宏晃さんと奥様の茜さんがベーグル作りを始めたきっかけは、大阪・谷町での一つの出会いだった。
「前職の同僚だった友人が大阪でホットドッグ店を経営していて、4人で共同経営をしないかと誘われたんです」と穂坂さんは振り返る。「その友人が『夫婦2人のやりたいことを見つけてほしい』と言ってくれて、そんな時に近くのレストランで食べたベーグルに衝撃を受けました」。
この「衝撃的に美味しいベーグル」こそが、穂坂夫妻の人生を変えることになる。まずは独学でベーグル作りを研究し、その後、衝撃を受けたレストランのアメリカ人オーナーから直接製法を教わった。
「そのオーナーも友人だったので、『ベーグルをやろうと思っている』と話したら、『じゃあ教えてあげるよ』と快く製法を教えてくれました」

■「もちもち食感」への独自のこだわり
多くの人が抱く「ベーグルは硬い」というイメージを覆すために、穂坂夫妻は独自の配合を研究した。
「ベーグルは硬いというイメージを持たれている方が多く、僕らもその認識で。硬いベーグルはあまり好きじゃなかった。もうちょっとふわっともちもちとできないかと思って」
その答えが、強力粉に薄力粉を混ぜるという独自の配合だった。様々な小麦粉を取り寄せて試行錯誤を重ね、「小麦本来の甘さを引き出したもちもち食感」を実現。日本人好みの柔らかさを追求した。
「小麦粉一つで全然味が変わるので、いろんな粉を取り寄せて、作っては『違うね』みたいな感じで、2人でずっとやって。ある時に『あ、これだ』っという小麦粉を見つけました」。
■約20種類のフレーバー開発は「楽しみながら」
現在提供している約20種類のベーグルは、すべて夫婦での試行錯誤の産物だ。
「僕らもプロの料理人とかではないので、本当に自分たちが好きなものを思い浮かべなが、じゃあこれ入れてみるか、あれ入れてみるかとか」。
ターメリックやアールグレイの茶葉を生地に混ぜるなど、自由な発想で商品開発を続けている。「試して失敗して、理想にたどり着くまで時間はかかるんですけど、その過程も楽しみながらやっています」。

■「スーパーベーグル」という名前に込められたユーモア
印象的な店名の由来は、意外にも子育ての日常から生まれた。
「子どもが2歳だった頃に、おむつや袋をバーって並べて、「はい、お店」みたいな感じにして遊んでいたんです。それをふざけてインスタとかで『スーパーおむつショップ!』みたいな感じでアップしてたんですよ」。
それを見たホットドッグ店のオーナーが「お店の名前、『スーパーベーグル』でいいんじゃない?」と提案。「響きがキャッチーで、覚えてもらいやすいし、インパクトある名前の方が面白いかな」と採用した。
■地元・桂川町への「帰郷」
大阪で1年半から2年ほど間借りやイベント出店でベーグル販売を続けた後、「子どもが小学校に上がるまでには地元に帰りたい」という思いから桂川町での開業を決意した。
現在の店舗は、元々カフェを経営していた方が子育てのため一時休業するタイミングで紹介されたもの。既存の設備を活用しながら、DIYで店舗を整えた。
「地元で開業して最も大きいのは、知っている人が来てくれること。父の友人や、保育士である母の友人など、自分たちが思ってもみなかった繋がりから多くの人が訪れるようになりました」。
毎週必ず来てくれる常連客もおり、地域ならではの温かいつながりを実感している。

■子育て世代への想いを店づくりに
店内には子供が遊べるスペースを設け、親が食事中に子供を見守れるよう配慮している。これは穂坂さん自身の子育て体験から生まれたアイデアだ。
「大きなチェーン店なら子ども連れでも行きやすいように配慮してくれているところがあるんですが、個人店だと、おしゃれなカフェに行きたいなと思っても、子どもを連れて行くとちょっと迷惑かけるかなという気持ちがあって」
現在6歳と2歳の子どもを持つ穂坂さんは、「気兼ねなく来てもらえると知ってもらえれば」と話す。理想は「昔ながらの定食屋のように『抱っこしとくから、ゆっくり食べて』みたいに言えるようなお店」だという。
■地域とともに歩む未来
現在は地元の農家との連携も模索中で、「農家さんも多いので、お取引させていただけたら」と地産地消への取り組みを進めている。ふるさと納税の返礼品としても採用され、「役場の方も協力してくださるので、ちょっとでも貢献できたら」と地域活性化への想いを語る。
今後の展望について穂坂さんは、「親子連れの方だけではなくて、もちろん一人で来られる方にも愛されるようなお店を長く続けていければ」と話す。
開店当初から通っている子どもたちの成長を見守る喜びも、地域に根ざした店ならではの醍醐味だ。「開店してすぐくらいから来てくれている子が、見るたびに大きくなっていて。成長を間近で見られるのはいいですよね」。

■「スーパー」な想いを込めて
衝撃的なベーグルとの出会いから始まり、独自の製法開発、子育て世代への想い、そして地域への貢献——すべてが詰まった『SUPER BAGEL』。その名前の通り、「スーパー」な想いが込められたベーグルが提供されていた。
桂川町で、今日も穂
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■『SUPER BAGEL』
住所:福岡県嘉穂郡桂川町瀬戸133-1
電話:090-2916-0808
営業時間:水〜日曜 9:00-16:00
定休日:月・火曜(完売次第閉店)
Instagram:@super_bagel_
https://www.instagram.com/super_bagel_/?hl=ja
■ SUPER BAGEL
住所:福岡県嘉穂郡桂川町瀬戸133-1
URL:https://www.instagram.com/super_bagel_/?hl=ja
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