いちご農園併設!朝摘みいちごと地産地消スイーツ!栄養士パティシエが作る体に優しいパフェ『Locavore(ロカヴォール)』(福岡・広川町)【まち歩き】

福岡県八女郡広川町、広川ICから車でわずか3分の場所に、緑豊かな『広川いちご園』に寄り添うように佇むカフェがあります。2022年4月にオープンした『Locavore(ロカヴォール)』です。店名はフランス語で「地産地消」を意味していて、その名の通り、地元の新鮮な食材を使った体に優しいスイーツが楽しめます。
パティシエールの高山麻衣さんに、お店への想いと食材へのこだわりについて話を伺いました。

■「もともとお店はしたいなと思ってた」―開店のきっかけ

高山さんは久留米出身。博多のホテルや久留米のケーキ屋でパティシエとして経験を積んだ後、栄養士の資格を取るため短大に通っていました。
「もともとお店はしたいなとは思ってたんです。いろんなお店で働いてきて、短大に通っていた時に広川いちご園さんから声をかけていただいて」
広川いちご園とは、以前働いていた店でいちごを仕入れていた縁で知り合ったそうです。その声かけに応える形で、併設カフェとして『ロカヴォール』を立ち上げました。

■栄養士の視点が生む「体に優しいスイーツ」

高山さんの強みは、パティシエとしての技術に加え、栄養士の資格を持っていることです。
「体になるべくいいものを使うことを目標にしています。添加物をできる限り少なくして安心して召し上がっていただけるものを作っています」。
特筆すべきは『広川いちご園』のいちごへのこだわりです。
「広川いちご園さんのいちごは限りなく農薬を使用せずに育てていただいています。いちごは農薬を使わずに栽培することは非常に難しいので、もう限りなく少ない農薬で」。
そして何より新鮮さが違います。
「スーパーで並んでるのって、割と早めに収穫されて並んでるから酸っぱかったりするんですけど、朝摘みの甘い状態のいちごをちぎってすぐに持ってきていただいています。すごく新鮮で甘いんです」。
朝摘みで完熟した甘いいちごを提供してもらえるからこそ、高山さんは大胆な決断ができました。
「いちごが甘いので、その分生クリームに砂糖を入れていないんです。生クリームを気に入ってくれる方が多くて、『砂糖入ってますか』とよく聞かれます」。
いちご本来の甘さを活かすことで、カロリーも抑えられ、素材の味が引き立ちます。栄養士ならではの発想ですね。

今回オーダーしたいちごの季節限定メニュー
・「朝摘みいちごのパフェ」( 税込1,500円)
・「いちごのスイーツ缶」(税込900円)

『広川いちご園』では5品種栽培しており、日によって提供されるいちごが異なるため、味や食感の違いも楽しめます。

■地産地消という哲学―「ロカヴォール」の意味

店名の「Locavore(ロカヴォール)」は、フランス語で「地産地消」を意味します。高山さんがこのコンセプトにこだわる理由は、単なる流行ではありません。
「運搬するときに発生するCO2を防ぐというSDGsの観点、そしてやっぱり地元で採れた美味しいものを使いたい。広川町は『フルーツの里』と言われてるから」。
さらに興味深いのは、味のバランスについての考え方です。
「やっぱり土地が一緒の素材の方がいいんです。同じ土地で採れたもの、近くの方が全体の味のバランスが良くなる」。
いちご以外にも、すぐ近くの「伊藤養鶏所」から産みたての卵を仕入れています。季節のメニューも、桃は福岡産、シャインマスカットは広川産と、できる限り地元の食材を使っています。
「地元産が難しい素材はもちろんあるんですけど、なるべく地元のもの、国産のものを使用しています」。

■同じ敷地内で焙煎される「ロカヴォールブレンド」

店で提供されるコーヒーは、同じ『広川いちご園』の敷地内にある『KajiCoffee Roastery(カジコーヒーロースタリー)』の梶原さんが焙煎した「ロカヴォールブレンド」です。使用する豆はスペシャルティコーヒーにこだわっています。
「私好みの味を再現してくれて、ケーキに合うような感じにしてもらってます」と高山さん。
梶原さんは、コンテナ内で自家焙煎を行い、週末のみ店舗を開けながら、平日は広川町や久留米など筑後のカフェや飲食店への卸販売をメインに事業を展開しています。もともと『ロカヴォール』に豆を使ってもらっていた縁から、『広川いちご園』のオーナーに声をかけられ、この場所での出店が実現しました。
今回『KajiCoffee Roastery』でも「ラテ」(税込650円)を味わいました。
蓋を開けると繊細なラテアートが美しく描かれています。スペシャルティコーヒーならではの豊かな香りと深いコクが楽しめる、丁寧に淹れられた一杯です。
同じ敷地内で、それぞれのこだわりを持った事業者が集まり、互いに連携しながら地域の魅力を発信しています。

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■『KajiCoffee Roastery(カジコーヒーロースタリー)』
住所:福岡県八女郡広川町藤田574-1(広川いちご園内)
営業時間:11:00~18:00(月曜は第2・4のみ営業)
定休日:火・水・木曜(第1・3月曜は店休)
Instagram@love_and_beans
https://www.instagram.com/love_and_beans/
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■「素材を活かす」素材への深い敬意

今後チャレンジしたいことを尋ねると、高山さんは少し考えてからこう答えました。
「現状維持が一番難しいことだと思います。物価高であったり、世の中の状況が変わる中で営業し続けて、味も落とさないことが目標ですね」。
価格は相場よりも安く設定していますが、それでも高山さんは、品質を守り続けることを最優先に考えています。
取材を通じて感じたのは、高山さんの「素材を活かす」という一貫した姿勢です。農薬の使用を限りなく少なくした摘みたてのいちご、産みたての卵、地元のフルーツ―これらの食材が持つ本来の味を最大限に引き出すため、砂糖を加えないという選択をする。それは単なる健康志向ではなく、素材への深い敬意の表れなのでしょう。
筑後地方はフルーツの宝庫です。この豊かな土地で採れた食材を使い、体に優しいスイーツを提供し続ける『ロカヴォール』。物価高の時代だからこそ、高山さんの「現状維持」という目標は、実は最も難しく、最も価値のある挑戦なのかもしれません。

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■『Locavore(ロカヴォール)』
住所:福岡県八女郡広川町藤田574-1(広川いちご園内)
営業時間:12:00~16:00(※材料がなくなり次第終了)
定休日:火・水・木曜(臨時休業あり)
Instagram@locavore15
https://www.instagram.com/locavore15/
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■ Locavore(ロカヴォール)

住所:福岡県八女郡広川町藤田574-1(広川いちご園内)
Instagram@locavore15

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