安すぎる! 旨すぎる!! 280円豚骨の実力に唸る 「18ラーメン 須恵店」 豚骨戦士 福岡のラーメンを斬る! VOL.53〜ふるさとwish 須恵町〜
2020年01月31日
[アサデス。旅行社]
豚骨ラーメン1杯280円。しかも文句なしに旨い。福岡のラーメンファン、そしてラーメン店主にどこのラーメンが好きかを聞いた時、名だたる横綱格、旬な店が出る一方、”日常使いでは”と加えて、よく挙がるのが「18(いっぱち)ラーメン」である。「はかたや」や「膳」、「唐木屋」など、かつてデフレラーメンと呼ばれたコスパ優秀な人気豚骨店はいくつかあるが、なかでも「18」が最強だと筆者は思っている。しっかりとした豚感を感じる味わい、接客ともすばらしい。訪れれば「これで280円なら言うことなし!」と誰もが舌を巻くだろう。
名店と同じ味が、さらに安く楽しめる
「18ラーメン」は、今週のふるさとWishの舞台である糟屋郡須恵町ほか、博多駅南、春日市、飯塚市の全4店舗がある。実はすべて、「一九ラーメン 老司店」(福岡市・南区)の系列。「一九」といえば年末の本連載で、「大晦日はラーメンに運そばを添える」ことでも紹介したが、1965(昭和40)年創業の博多ラーメンの代表格。開店と同時に満席になり、ラストまで客の波が途切れることはない。父から代を継いだ「一九」2代目の岩井満則さんが“より低価格”に挑戦したのが「18」(※1996年の開業時は「満○(まんまる)」)である。「一九」は大橋を本店とする、岩井さんの親戚の一門。その名に頼りすぎたくないとの思いもあり、別の屋号を立ててスタートをきった。店が声を大にしてアナウンスしているわけではないが、つまり「18」のスープは「一九」と同じもの。老司店と隣り合うスープ室に据えた巨大な五右衛門釜で九州産のロース骨を炊き込み、「18」各店へと配送している。ちなみに、釜を炊く燃料はガスではなく、より高火力が出せる灯油。
「あの名店と同じ味」ということで旨い理由は分かるが、1杯280円(飯塚店のみ300円)で出せるのは何故か。「一九」の2代目・岩井満則さんに話を聞いた。
1杯280円で出せるヒミツとは
「父の代からお世話になっている業者をはじめ、長年培ってきた信頼関係でいい食材をより安く仕入れられているのと、全店舗分、大量のスープを効率よく老司1か所でブレなく作っていること。そして「18」は自家製麺にしているので、若干価格を押さえられます。パチンコ店の駐車場一角を中心に、知り合いの縁で比較的家賃が安いことも大きいですね」。いやー、それでもスゴい。豚骨やチャーシューもすべて九州産で冷凍していない生のものを使っているし、そもそも「一九」が1杯500円と優良値段。それよりもはるかに安い280円設定なのだから奇跡的である。「『18』は若手中心のスタッフですので、接客にいたらない点があったら申し訳ございません」と岩井さんは付け加えるが、そんなことは全くない。客として何度か啜りに行ったが、大きな声で挨拶をしてくれ、とても気持ちがいい接客であった。
ラーメン280円、チャーシュー麺480円、ワンタン・チャーシュー麺でも680円。「18」の食券機の前に立つとうれしくなる。そして食べ終わった後の満足感たるや!!
【18(いっぱち)ラーメン 須恵店】
住所:福岡県糟屋郡須恵町須恵1098-1
電話:092-934-0410
営業時間:11:00〜21:00
休み:火曜
席数:28席
駐車場:「ラッキーランド須恵」駐車場利用可
上村敏行(かみむらとしゆき)。1976年鹿児島生まれ。2002年よりラーメンライターに。以降年間300杯を食べ歩き「ラーメンWalker」はじめ各媒体での執筆活動、ラーメンイベント監修などを行う。KBC地域リポーター。
※この記事は2020年の情報です。変更している可能性があります。事前にご確認ください。