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劇団四季ミュージカル『ノートルダムの鐘』

2020年03月27日

富田 薫

 「これを劇場で見ずして何を見る?」と思わせる圧倒的な迫力だ。それは、音楽に舞台装置、そして登場人物の“生き様”さえも動員して五感に訴えてくるのだった。  ご承知のように、これまで何度も映画化、舞台化された世界的文豪ヴィクトル・ユゴーの代表作だが、日本人になじみ深く、アカデミー賞にもノミネートされたディズニー長編アニメーション(1996年)とはストーリーやエンディングが異なる。  本作の脚本はピーター・パーネル、演出はスコット・シュワルツで「ディズニーのもう一つの顔を垣間見ることができる“大人のための演劇作品”」とされるが、その表現がまさにピッタリ。  しかし、家族連れでの鑑賞を妨げるものではない。ある意味で「情操教育」の効果さえ持つミュージカル作品なのだ。  では、どんな物語かと言えば…舞台は15世紀末のパリ。主人公でノートルダム大聖堂の鐘楼に住む“カジモド”は「ある宿命」を抱えていた。彼は、幼いころに大聖堂の権力者である大助祭“フロロー”に引き取られて外界と隔離され、話し相手は大聖堂に安置されている“石の像”だけだった。  年に一度の「道化の祭り」の日に美しいジプシーの踊り子“エスメラルダ”と出会うが、邪悪な目的を持つ大助祭が市民と教会を守るという名目で、大聖堂の警備隊長“フィーバス”にジプシーの排除を命じる。  そこからは、“カジモド”“フロロー” “フィーバス”の3人と“エスメラルダ”との形容しがたい人間関係が展開する。確かにこれまでのディズニー作品にはなかった「アッと驚く」展開だ。  一方、『リトルマーメイド』『アラジン』『美女と野獣』などのディズニー音楽の巨匠アラン・メンケン(作曲)と『ウィキッド』でもおなじみのスティーヴン・シュワルツ(作詞)による印象深い名曲の数々は健在で、舞台上に配置されたクワイヤ(聖歌隊)による中世の宗教礼拝を模した演出と相まってアニメ版以上の光を放つ。  物語が進むにつれ、そのテーマは「人種偏見」「外見と内面」「支配する者とされる者」など多岐にわたることが分かり、エンディングでは感動だけではなく「人間としての正しい生き方は?」と問われているような気がして背筋が寒くなるほどだった。  ☆劇団四季ミュージカル『ノートルダムの鐘』☆ ※2020年6月14日(日)まで、福岡市博多区住吉の「キャナルシティ劇場」にて。 ※チケットは全席指定でS席1万1,000円、A席8,800円、B席6,600円、  C席3,300円。 ※お問合せ:劇団四季予約センター(0570)077489  なお、本作の日本語台本と訳詞は高橋知伽江氏によるものです。