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毎週土曜 午前10:00~

放送内容

変形性ひざ関節症

2023年07月08日

[過去の放送内容]

今回、変形性ひざ関節症についてお話を伺ったのは、
済生会八幡総合病院 整形外科 主任部長の
津嶋 秀俊 (つしま ひでとし)先生です。

■変形性ひざ関節症とは

変形性ひざ関節症とは、
関節の表面にある軟骨がすり減って、ひざに痛みが起こる病気です。
原因には、加齢による軟骨の老化、外傷、肥満、O脚・✕脚などが挙げられます。


■原因について

加齢:年齢を重ねると、
骨と骨の間にあってクッションの役割をする軟骨の弾力性が低下して硬くなり、
骨がすり減りやすくなります。
外傷:以前に骨折をしたり、関節の動きに関わる靭帯を痛めたりした経験があると、
関節にずれが生じやすくなって、変形性ひざ関節症になることがあります。
肥満:ひざには歩く時に、体重のおよそ3倍の負荷がかかるのですが、
肥満だと、ひざへの負荷はより大きくなります。
O脚・X脚:軟骨の片側に負担が集中することで、
変形性ひざ関節症になる可能性があります。


■若い人も注意!

変形性ひざ関節症は、主に高齢者に見られる病気ですが、
20~30代といった若い世代も注意が必要です。
ひざに負担のかかる運動を長く続けたり、
ハイヒールのような高い靴を長く履いたりすると、
ひざへの負担が増えることになります。


■特徴

変形性ひざ関節症は、女性に多いとされています。
そのはっきりとした原因は不明ですが、女性ホルモンの影響や、
一般に男性と比べて筋肉量が少ない事が考えられています。


■症状

変形性ひざ関節症の特徴的な症状は、関節の痛みです。
骨同士がぶつからないようにクッションの役割をする軟骨や半月板がすり減って、
骨がとげ状に変形することで起こります。
症状は時間をかけて進行し、徐々に重くなります。


■症状の出方

症状はまず、痛みが出る前に、ひざの辺りに違和感が生じます。
その後、ひざの曲げ伸ばしがしづらくなって、
正座や階段の上り下りの際などで、ひざに痛みを感じます。
進行すると、ひざの痛みで歩くことが難しくなります。
さらに進むと、何もしていなくても、ひざが痛むようになります。


■治療

変形性ひざ関節症の治療法には、
薬を使わない非薬物療法、薬物療法、手術があります。


■非薬物療法

非薬物療法ですが、肥満であれば減量が大事です。
また、ひざ周りの筋肉が低下しないように、
そして、関節の動きが維持されるように運動をする事が重要です。
運動には、ひざをしっかりと安定させることで痛みの緩和を目指す、
大腿四頭筋(だいたいしとうきん)訓練があります。
座った状態で片足ずつ足を上げて、20~30秒キープします。
これを両足20回ずつ、朝夕に1日2セット行います。


■薬物療法

薬物療法では、湿布や鎮痛剤を使用したり、
関節軟骨の構成成分であるヒアルロン酸を関節内に直接投与したりして、
痛みの緩和を目指します。


■手術

症状がかなり進行して、痛みが強くなった場合は、
悪くなった関節を切除して、金属に置き換える「人工関節置換術」があります。


■予防

変形性ひざ関節症の予防には、ひざ関節周辺の筋肉を無理なく鍛えるために、
毎日のウォーキングや体操が有効です。
また、肥満は発症や進行の原因となります。
体重を身長の2乗で割ったBMIの数値が25以上の人は減量をしましょう。
女性では、ハイヒールが原因となることもあります。
ひざに違和感や痛みがあれば、
通勤の際にスニーカーを履いてみるのもひとつの方法です。


■まとめ

変形性ひざ関節症は、長い年月をかけて進行するので自覚しにくいです。
立ち上がった時にひざに違和感がある、正座がしにくくなった、
階段の上り下りで痛みが出るようになった、といった場合は、
早めに整形外科を受診しましょう。

過去の放送内容