梅毒
2024年04月13日
[過去の放送内容]
今回、梅毒についてお話を伺ったのは、
さぎやま泌尿器クリニック 院長の
鷺山和幸 (さぎやま かずゆき) 先生です。
■梅毒とは
梅毒とは、梅毒トレポネーマという細菌が性行為で体内に侵入して、
全身に広がる病気です。
感染すると、性器をはじめ、口、手、足、
その他、全身のいろいろな所に、ただれやしこり、ブツブツが出てきます。
また、痛みやかゆみがなく進行するという特徴があります。
■症状
梅毒は、第1期から第4期までの4段階で進行していきます。
第1期は、感染してから3週間から3カ月の時期で、
感染した所に、ただれやしこりができます。
数週間経つと、それらは自然に消えてしまいますが、
原因菌の梅毒トレポネーマは体内に潜み続けて、全身に広がります。
第2期は、感染から3カ月を過ぎた時期で、
赤いブツブツが手のひらや足の裏、顔をはじめ、
全身にあらわれるようになります。
それも第1期と同じく数週間で消えてしまいますが、
梅毒トレポネーマは引き続き潜伏したままなので、
周囲への感染力は衰えずに残ります。
第3期は、感染から1年から3年以上が経った時期で、
感染力はなくなりますが、肝硬変や心不全、
心臓に血液を送る血管の狭窄などの、内臓障害を引き起こします。
第4期は、感染から10年以上が経った時期で、
この時期まで来ると、治療の方法がないとされています。
梅毒が神経にまで及ぶと、目が見えにくくなる、耳が聞こえにくくなる、
歩けなくなるといった状態になります。
第3期以降は、梅毒トレポネーマに対して体が慢性的な免疫反応を起こして、
体の組織に、元には戻らないような重い障害を与えます。
■注意点
梅毒は、特に女性は注意が必要だと言われています。
妊娠中に感染すると、先天梅毒など、いろいろな障害が胎児に起こるので、
不安を感じたら、妊娠中でも必ず梅毒の検査を受けてください。
検査は採血で行われ、15分程度で結果が分かります。
■治療
治療は、進行具合に合わせて、抗生物質を数週間服用するのが基本ですが、
最近では、1回の注射での治療も可能になっています。
■まとめ
梅毒はまだワクチンが開発されていないので、早期発見・早期治療に尽きます。
感染しているかもしれないと思ったら、血液検査を受けましょう。
もし感染していても、早く治療を受ければ、完治も可能です。