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毎週土曜 午前10:00~

放送内容

僧帽弁閉鎖不全症

2024年05月04日

[過去の放送内容]

今回、僧帽弁閉鎖不全症についてお話を伺ったのは、
済生会福岡総合病院 循環器内科 部長の
長友大輔 (ながとも だいすけ) 先生です。

■僧帽弁閉鎖不全症とは

心臓には右心房、右心室、左心房、左心室の4つの部屋があります。
血液はその中を一方通行で流れていますが、
逆流を防ぐために、4つの部屋の間には弁があります。
僧帽弁は、左心室から左心房への逆流を防ぐための弁です。
僧帽弁閉鎖不全症とは、僧帽弁がきちんと閉じなくなることで、
血液の一部が逆流して、心臓に負担をかける病気です。
僧帽弁閉鎖不全症で逆流が続くと、心臓の働きが悪くなって、
全身に血液を十分に送れなくなる「心不全」につながります。


■原因

僧帽弁は、パラシュートのようになっていて、
左心室から出た、腱索(けんさく)という紐のようなものが僧帽弁にくっ付いて、
パラシュートの傘を抑えるような働きをしています。
そして、僧帽弁閉鎖不全症の原因は、大きく2つに分けられます。
ひとつ目の原因ですが、何らかの要因で僧帽弁そのものが傷んだり、
腱索という紐が切れたりすることで、
弁が閉じた時に隙間ができて、血液が逆流するというものです。
もうひとつの原因ですが、心筋梗塞や心筋症などの心臓疾患が起こって、
左心室の動きが悪くなった場合です。
左心室の動きが悪くなると、左心室が拡大していきます。
しかし、腱索という紐は伸びないので、左心室に引っ張られて、
僧帽弁が適切に閉じず、逆流が起きてしまいます。


■症状

僧帽弁閉鎖不全症が起こると、
階段や坂道を上がっている時に息切れするようになります。
併せて、倦怠感が続いたり、むくみが出たりします。
進行すると、平坦な所を歩いていても息苦しくなる、
さらには、じっとしていても息苦しさを感じるようになります。


■治療

僧帽弁閉鎖不全症が進むと、
心不全の状態が悪化して、生活に支障が起こります。
僧帽弁閉鎖不全症が重症な場合、まず考えないといけない治療は外科手術で、
僧帽弁を修理したり、人工弁に交換したりします。
高齢などで手術のリスクが高い患者さんには、
最近では、カテーテルという細い管を血管内に入れて、
きちんと閉じなくなった僧帽弁を、
カテーテルの先端に取り付けられたクリップで止める、
「マイトラクリップ」という血管内治療も行われています。


■注意点

僧帽弁閉鎖不全症をいち早く見つけるポイントとして、
同じような動きや運動などで、以前よりも息切れや疲れを感じやすくなったら、
一度、病院を受診しましょう。
また、夜寝ている時に息苦しさから、突然、体を起こすことがあります。
家族など、周りの人にそのような症状が起こったら、受診を勧めてください。

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