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毎週土曜 午前10:00~

放送内容

夏の脳梗塞

2024年07月13日

[過去の放送内容]

今回、夏の脳梗塞についてお話を伺ったのは、
国立病院機構 九州医療センター 副院長の、
岡田 靖 (おかだ やすし) 先生です。

■夏の脳梗塞とは

まず脳梗塞とは、脳の血管内が細くなったり詰まったりすることで、
脳の細胞が壊死する病気です。
脳に十分な酸素や栄養が届かなくなることで、さまざまな症状が起こります。
夏は気温が上がり、脱水によって血液が濃くなります。
すると、動脈硬化が進んだ人の血管内で、血流が悪くなったり詰まったりして
脳梗塞が起こりやすくなります。


■アルコールとの関係

夏の脳梗塞の原因として、お酒の飲みすぎも挙げられます。
お酒をたくさん飲むと、アルコールの持つ利尿作用から脱水が進みます。
すると、血液がドロドロになって、脳梗塞を起こしてしまいます。
また最近は、お酒を飲む女性も増えています。
脳梗塞は従来、男性に多い病気でしたが、最近では女性も注意が必要です。


■脳梗塞の種類

脳梗塞は原因別に、大きく2つのタイプがあります。
① 脳の血管に動脈硬化が進んで起こるタイプ、
② 心臓に病気があり、それによって心臓の血管に血の塊 “血栓”ができて、
  頭に飛んで起こるタイプです。


■①のタイプについて

脳の血管の動脈硬化を引き起こす、一番の要因が高血圧です。
高血圧で血管に長い間 負担がかかると、血管の壁が次第に硬く厚くなります。
また、血管内が狭くなって血液が流れにくくなります。
さらに、血管の壁が破れてできた血栓が血管内を詰まらせ脳梗塞につながります。


■②のタイプについて

心臓の病気で挙げられるのが、心房細動です。
心房細動は不整脈のひとつで、
心臓内にある、“心房”という部屋で脈の乱れが起こり、
心臓がブルブルと細かく震えるような動きになる病気です。
心房細動があると、
心房内に血液が留まり続けることで血栓ができやすくなります。
この血栓が心臓から離れ、脳の血管に飛ぶと、脳梗塞につながります。


■動脈硬化や心房細動の原因

動脈硬化や心房細動の原因としては、
食べすぎや飲みすぎ、喫煙や運動不足などが挙げられます。
動脈硬化や心房細動は、中高年になると増えてくるので、
若いうちから、好ましい生活習慣を心がけることが大切です。


■脳梗塞の症状

脳梗塞の症状は、
頭の血管の詰まった反対側の半身の力が抜けて動かない・感覚が鈍い、
ろれつが回らない、歩けない、めまい、頭痛などさまざまです。


■夏の脳梗塞の予防

夏の脳梗塞を予防するためには、こまめな水分補給が大切です。
1~2時間おきを目安に、コップ1杯程度の水を飲みましょう。
また、私たちは寝ている間に、呼吸や汗で500㏄もの水分を奪われています。
脱水にならないよう、寝る前にもしっかりと水分補給をしましょう。


■まとめ

脳梗塞は、時間が立てば経つほど障害される範囲が大きくなって、
半身のまひや言語障害などの後遺症が残る可能性が高くなります。
思い当たる症状が出たら、なるべく早く救急車などで、
専門の医療機関を受診してください。

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