「道の駅いとだ」にツウを唸らせるラーメンあり。「博多豚十郎」年間300杯! 豚骨戦士 福岡のラーメンを斬る!VOL.24 ~ふるさとWish 福岡県糸田町~
「博多豚十郎」(はかたとんじゅうろう)。数あるラーメンの店のなかでもとても好きな屋号だ。潔い感じだし響きもいい。いかにも、芳醇な豚骨フレーバーが漂い、しっかりと豚感のある一杯を作っていそうではないか。
その豚十郎は田川郡「道の駅 いとだ」内、フードコートの一角にある。
フードコートのラーメン!? いやいや、あなどる事なかれ。そこは“豚”をしっかり掲げ、スープに自信あり! の店。カウンター奥の厨房で豚骨をガツンと炊き込み、バリ旨の本物豚骨スープを作っている。
塩ダレ豚骨&ちゃんぽんで地元民の心を掴んだ
実は、「博多豚十郎」の店主・柳瀬英樹さんとの出会いは10年以上前になる。
福岡市・別府の路地裏にあった「天竺」。その後、大橋、筑紫野へと移転し、それぞれで取材をさせてもらってきた。最終的に糸田町に落ち着いたのは2017年9月。道の駅いとだの館長が豚十郎の味に惚れ込み、ラブコールを送った。「馴染みのない糸田町に移ってくるのは不安だらけでしたが、住んでみると自然に囲まれたとてもいい場所。以前より夫婦で過ごす時間も増え、新たな気持ちでラーメン作りに取り組めました。それにしても、糸田町の人は竹を割ったような性格の人が多くて気持ちがいいですね。女性も頑固で真っすぐな人が多いですが」と笑う柳瀬さん。
1971年福岡市井尻出身。居酒屋に始まり、さまざまな名店での修業、独自のラーメン作りに没頭してきた柳瀬さんの傑作の一杯はなんといっても「塩ダレ豚骨」だ。ラーメンの味の要であるカエシ(元ダレ)は、岩塩を使った透明な塩ダレ。下処理、アク抜きを丁寧にほどこした純豚骨スープの旨味をキレとともに見事に広げてくれる。隠し味で「とろろ昆布」を加えてあるのもポイント。そして、同じ豚骨スープをベースにしたちゃんぽんも人気が高い。地元野菜の甘味がしっかり染み出しているのはもちろん、脂と肉のバランスのいい豚バラ肉からも旨味がジュワリ。拍手喝采の豚骨ちゃんぽんだ。
醤油ではなく塩ダレでキリリとしめた豚骨ラーメン。濃厚豚骨ベースのチャンポン。九州の道の駅で食べられる麺メニューのなかでもトップクラスの旨さだ。
柳瀬さんは今春、田川郡春日町に“本店”と銘打つ店も出し、中華そば、塩ラーメンを提供している。清湯系が好きな方は、こちらも試してもらいたい。
【博多豚十郎 道の駅いとだ店】
住所:福岡県田川郡糸田町162-4 道の駅いとだ内
電話:0947-26-5501
営業時間:10:00〜16:00
休み:月曜
席数:100席(道の駅いとだフードコート)
上村敏行(かみむらとしゆき)。1976年鹿児島生まれ。2002年よりラーメンライターに。以降年間300杯を食べ歩き「ラーメンWalker」はじめ各媒体での執筆活動、ラーメンイベント監修などを行う。KBC地域リポーター。
※この記事は2019年の情報です。内容は変更している可能性があります。事前にご確認ください。