クラッシャーで生ニンニクをガシュッといっちゃって! 背脂ぷかり絶品豚骨「らーめん 林家」 年間300杯! 豚骨戦士 福岡のラーメンを斬る! VOL.29 ~ふるさとWish 朝倉市~

日田温泉街からスタートした名店「林家」。朝倉でもジモトの愛され店へとなった

「らーめん林家 甘木店」の半熟煮玉子ラーメン(¥690)。表面に浮く背脂の粒、量が選べる辛味ダレが顔。煮玉子は輝黄卵。ネギラーメンにすれば、地元産青ネギと白ネギで“ネギだく”になる

もう10年以上前の話になるが、日田温泉に宿泊した際、宿の女将さんがプッシュする新顔のラーメン店を訪れたことがあった。名は「林家」。三隈川そばの雑居ビル奥に入口があり、穴場感漂う温泉街の夜専店。木目調の店内は淡い照明で、BGMはレゲエだった記憶がある。少しヤンチャそうな兄ちゃん(全然私より年上だったけど、、)が次々と訪れる飲みのシメ客を迎えていた。食べてみると文句なしに旨い。豚骨フレーバーが心地よく鼻に抜けるガツンとした重厚感のなかで、洗練の要素も感じるバランスのいい一杯。後に「林家」は朝倉や二日市にも支店を展開(2006年に開業した日田店は現在閉店)。
取材でも度々お世話になっている。

「林家」店主の林祐介さん。木の棒で混ぜながらゲンコツの旨味を絞り出す

朝倉市「ラーメン林家 甘木店」の厨房に立つ、店主の林祐介さん(1973年杷木出身)。20代後半でバーを出したことが飲食業のスタート地点だというが、ラーメン道へと転身するきっかけはなんだったのか。

「もともと大のラーメン好きで、旨い店があると聞けば車を走らせどこにでも。地元でもよく通うイニシエの店があって、そこの大将が厨房の中を見せてくれたんです。当時はラーメンを食べる側だったので、どのような調理過程があるのかすごく興味があった。豚骨の下処理や炊き方を見学しているうちに、無性に自分でも作りたくなったんです」。

ラーメンが好きすぎる! 店主の思いが伝わってくる

ラーメン好きが高じて独学で開業。自宅で豚骨を炊き研究を重ねた

林さんはそれから、1人暮らしのアパートの自室に小型の寸胴を持ち込み、暇をみつけては豚骨を炊き続けた。「1年間くらいは取り憑かれたようにスープ炊いてましたね。我流で試行錯誤を重ねましたが、最初から一貫しているのは豚の頭骨は使わないでゲンコツやロース骨でスープを取るということ。臭みをより抑えたいというのもありますが、本音はグロテスクすぎて頭骨を触りきらんとです(笑)。ようやく納得のいくものができて、当時やっていたバーのお客さんや友達に太鼓判押してもらった時は嬉しかったですね。しばらくバーとラーメン店両方をやっていたのですが、ラーメン1本で勝負することを決めました」。

「林家」の豚骨ラーメンの材料は国産豚のゲンコツ。血抜きのため、最初に湯がいたスープはすべて捨て、アク抜きを徹底しながら再度煮込んでいく。骨髄から旨味を絞り出すように炊きながら10時間以上かけて完成。
そして、別取りした背脂の粒がスープの表面にプカプカ。
ビジュアルは超こってり系に見えるが、もとは日田温泉街の飲みのシメ客に人気を集めていた一杯。しっかりと旨味がありながら、ギトギト感はなく飲みやく、辛味の赤ダレがいいアクセントになる。さらに、卓上にあるクラッシャーで生ニンニクをガシュガシュッとすればサイコー!!

豚のホルモン煮込み(小、白飯付き+¥280)も名物

今も食べ歩きを重ね、新しいラーメンに挑み続ける林さん。
定番豚骨以外にも、魚介醤油の中華そばや、辛味系の豚もやしラーメンも
好評だ。ホルモンや煮込みはじめ、客を飽きさせないようサイドメニュ
ーの研究にも余念がない。

朝倉市「ラーメン林家 甘木店」は甘木インターにも近いので、大分道をひょいとおりて啜りにGOGO!

【ラーメン林家 甘木店】
住所:福岡県朝倉市甘木202-1
電話:0946-21-2308
営業時間:11:00〜21:40(LO)、日曜〜20:40(LO)
休み:月曜(祝日の場合翌日)
席数:32席
駐車場:12台

上村敏行(かみむらとしゆき)。1976年鹿児島生まれ。2002年よりラーメンライターに。以降年間300杯を食べ歩き「ラーメンWalker」はじめ各媒体での執筆活動、ラーメンイベント監修などを行う。KBC地域リポーター。

※この記事は2019年の情報です。内容は変更している可能性があります。事前にご確認ください。


らーめん林家

住所:福岡県朝倉市甘木202-1
電話番号:0946-21-2308
営業時間:11:00〜21:40(LO)、日曜〜20:40(LO)
定休日:月曜(祝日の場合翌日)

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