オジサマたちの竹取物語プロジェクト 町を救う明かりをともせ!~ふるさとWish新宮町~

悩みの種が町の未来を照らす?!

交通の便が良く、福岡地区のベットタウンとして人気の新宮町。人口増加が進む同町ですが、栄えているのは新駅の周りのみ。町の東側にある立花口地区は高齢化・過疎化が進む一方なのです。昔みかん畑だった山は荒れ果て、竹に占領されてしまって…。しかし、この竹が町の救世主になってくれたのです!

荒れた竹林を切り拓き、町の魅力として発信!

「ミカン畑だったんですよ…」と寂しそうな堀田さん。今や荒れた竹林に…

「この辺りは昔、全部ミカン畑だったんですよ」。うっそうと茂る竹林の中で話す立花口地区在住の堀田正哉さん。堀田さんが佇むのは、数十年前、天皇陛下に献上するミカンを育てた農園もあった三城岳(さんじょうだけ)。しかし約40年前、オレンジの自由化でミカンの価格が大暴落。「ミカン農家を廃業したり、後継者不足などで栽培をやめてしまったりする農家が相次ぎ、今では耕作放棄地となってしまったんです」と堀田さんは寂しげにつぶやきます。

どんどん繁殖する竹問題に立ち上がったのは、地元消防団を中心とした「Tachibana All Powers(立花オールパワーズ)」。通称「TAP」と呼ばれる地域おこし団体で、2016年に発足。現在、20代~70代のメンバー25人が活動しています。

苦戦しつつも奮闘し続けるTAPの皆さん

TAPの副会長を務める堀田さんは、地元住民だからこそ知る町の魅力を再発掘しようと、竹林を切り開いて頂上まで開通させる「登山道整備計画」を始動しました。現在、3年が経過しましたが、まだ2割程度しか開拓できていないと堀田さん。「切っても、切っても追いつかないんですよ…頂上まで10年はかかりそうです」と苦笑いを浮かべます。

町の未来を照らす手彫りの竹灯籠

初年度(左)と比べると繊細さが全然違う!

そこで「今すぐ町のためにできることはないか」と考えたのが、伐採した竹を利用する竹灯籠づくり。素人のTAPメンバーは竹を切るところからデザイン、加工、色付けまで、見よう見まねで作り始めたといいます。初年度はちょっと残念な出来栄えでしたが、継続は力なり。3年目を迎えた今年の作品は、見違えるほど美しい細工を入れられるほどにレベルアップしているのです。

TAPメンバーが手掛ける竹灯籠で、立花口地区の六所神社を中心に町を彩る「竹灯籠まつり」は、今や新宮町の名物。7月には3000本、10月には6000本の竹灯籠が美しい光で町を照らす風景を楽しみに、地区住民だけでなく、遠方からも多くの人が訪れています。

「こういうところに住みたいという人が増えてくれれば、町も活性化すると思います」と堀田さんは、立花口地区の未来に希望を持ってTAPの活動を続けていきたいと話します。竹取るオジサマたちは、竹のように強靭な心意気で、灯籠の光のように新宮町の未来を照らす頼もしい存在です!

「竹灯籠まつり」は11月23日(土・祝)開催予定。美しい細工をほどこした竹灯籠が描き出す幻想的な風景を見に、ぜひ足を運んでみてください。

たちばな竹灯籠まつり 
日時:11月23日(土・祝)15:00~21:00
 ※竹灯籠点灯は17:00から
場所:立花口区公民館・六所神社を中心とした立花口区域

※この記事は2019年の情報です(「シリタカ!」(8月21日放送)。内容は変更している可能性があります。事前にご確認ください。

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