趣味を超越!手先が器用すぎるおばあちゃんが作る和風ドールハウス~ふるさとWish筑紫野市~
万葉集に「筑紫、身ひとつにして、面四つ」と記載されるほど、深い歴史を持つ筑紫野市。九州最古の寺院「武蔵寺」や有名な「二日市温泉」をはじめ、古代ロマンを至るところに感じさせる魅力いっぱいのまちです。2019年11月18日(月)に放送された、KBCのニュース番組「シリタカ」の人気コーナー「ミツケタ!」では、同市の「感動的なドールハウスを作る人がいる」という情報をゲット! 取材に行くと、趣味の域を超えた“古き良き芸術作品”を手掛けるスゴイ人だったのです。
手先が器用すぎるガラス屋さん?!
カイラくんが訪れたのは、筑紫野市山家にある「島田商店」というガラス屋さん。大きなガラスを「よいしょ」と作業台に置いた店主は、小柄なおばあちゃん!なんと「島田商店」は、御年83歳の島田ヨシ子さんが一人で切り盛り。スーッとガラスにカッターを入れ、「バンッ!」と勢いよくガラスをたたいて型割する島田さんの姿は、バリバリの現役ガラス職人です。
「チャレンジ精神が旺盛な元気さも取り柄」という島田さんは、手先の器用さを生かし、いろんなことに挑戦していると話します。その一つが、ワラ細工の製作。しかも、ただのワラ細工ではありません。編み込んだり、亀のカタチをしていたりと、バラエティーに富んでいます。「12月はしめ縄づくりも忙しくて…」と笑う島田さん。手掛けた作品の素晴らしさが評判となり、しめ縄づくりの講習会で指導することもあるといいます。
すべて手作りの和風ドールハウス!
「島田さんが作るのは、これだけじゃないんです!」とカイラくん。「これもぜ~んぶ、島田さんの作品なんです!」とカメラが映し出したのは、ズラリと店内に飾られた小さなドールハウス!
一つひとつの家を覗いてみると、小物や内装だけでなく、扉や引き戸が開閉するなど細やかな部分まで再現されています。実は島田さん、使用するガラスだけでなく、のれんや布団などの布小物も手作りし、細部にまで色付けして忠実に縮尺する和風ドールハウスも作っているのです。とても見事な“小さな世界”に、スタジオ勢も思わずうっとり。
懐かしの日々をいつまでも…
島田さんのドールハウスは、さまざまな商店や季節ごとの家庭生活を再現していますが、どれも“古き良き昭和のレトロ感”に満ちています。「この駄菓子屋は小学2年生の時に、茨木から疎開してきて、両親が始めたお店を再現しています」と言うように、ズラリと並んだドールハウスは島田さんの「在りし日」や「思い出の街並み」をカタチにしたもの。
ただ本物を小さくするだけではなく、遊び心もプラスしているのが“島田流”。「お正月」を題材にしたドールハウスを前に、「長嶋茂雄さんやノーベル賞を受賞した田中耕一さんから来たように作った年賀状があるんですよ」と、島田さん自身の夢やユーモアあふれる「こだわり」を教えてくれました。
「どうしてドールハウスを作ろうと思ったんですか?」と尋ねると、「店で出る廃材を何かに活かせないかと考えていた時、キレイな写真を見て作ってみよう!と思い立って…」と、最初に手掛けたドールハウスは「瀬戸物屋」。実際に作品を見せてもらうと、陶器の絵柄も一つずつ異なる精密さで、「思い立って感」を微塵も感じない芸術作品!「趣味」や「手先が器用」という域をはるかに超えた、素晴らしい出来栄えです。以来、多くの作品を作り上げ、昨年は展示会も開催したそう。
そんなバイタリティーあふれる島田さんは「考えること・実行すること・やり遂げること」という3つのモットーを大切にしているといいます。いくつになっても夢中になれることを見つけられる元気の源は、「作品を見てもらう以上に、喜んでもらうと自分が嬉しいから」と話す島田さん。見る人を感動させる温かみある作品は、島田さんの人柄もそのまま反映させているようです。
悠久のロマンを今に残す筑紫野市でミツケタ!のは、古き良き日本の風景を手作りで伝え続ける元気いっぱいのおばあちゃん。筑紫野市を訪れた際は、ぜひ「島田商店」に足を運んで、小さな世界へのタイムトリップを楽しんでくださいね!
■島田商店
筑紫野市大字山家5197-1
TEL:092-926-2822
※この記事は2019年の情報です。内容は変更している可能性があります。事前にご確認ください。