博多豚骨の最高峰「ふくちゃん」「江ちゃん」を体感せよ! 豚骨戦士 福岡のラーメンを斬る! VOL.60〜ふるさとWish 福岡市〜後編~

最強の女性ラーメン職人「江ちゃん」が作る極上豚骨

福岡市・原「江ちゃんラーメン」の一杯(600円)。身震いするほど旨い

伸一郎さんには2人の姉がいる。長女・美子さん(旦那さんと共に、宗像市・ふくちゃんラーメン英美を営業中)、そして福岡市・原で「江ちゃんラーメン」を開き丸8年となる次女・伸江さんである。

「江ちゃんラーメン」の伸江さん。江ちゃんファンなら分かるだろうが、こんなお茶目なカットは貴重だ。営業中の、あの職人感たるやw。母親の美恵子さんも同店で迎えてくれる

「ふくちゃんラーメン」は2004〜2009年の5年に渡り「新横浜ラーメン博物館」にも出していた。当時のラー博館長・岩岡さんも、ふくちゃんに惚れぬいた一人で、何度も福岡まで足を運び実現した出店であったのだが、その際ラー博店を主にまかされていたのが、次女の伸江さん(現・江ちゃん店主)である。

日本屈指のフードテーマパークにいた頃、1日に何百玉も上げていた江ちゃん。
その彼女がカウンターで目の前の客のみに向き合い、年齢や顔色などを見ながらさりげなく脂、塩分の調整をして出してくれる。麺を1玉ずつ丁寧にほぐして釜の木蓋の上に置き、最適な湯温のタイミングを見計らいストンと中に落とす。流れるように無駄のない江ちゃんの手仕事は惚れ惚れとする。彼女の性格はとてもサバサバしていて歯に衣着せぬ物言い。なんというか男気があるのだ。客にバリカタと言われると「そんなもん作らん!」。いわば宿命とも言うべき「ふくちゃん」や他の“ちゃん系”の話をされると「よその店のことは、知らん!」。

「自分の好きなラーメンを出しているだけですけど、何か?」。その真っすぐで飾らないスタンスがとても気持ちがいい。伝説的職人であった、父の順伸さんもきっと、こんな感じであったのだろう。


おごちそうさまでした!

榊 順伸、美恵子夫婦により生み出され、息子・伸一郎(ふくちゃん)、娘・美子(ふくちゃん英美)、伸江(江ちゃん)に受け継がれたラーメン。原点は同じであるが、独自の味わいへとそれぞれ進化を添えている。さらに伸一郎さんを師と仰ぎ、糸島、中津で旋風を起こしている「なおちゃん」と「しゅうちゃん」。

福岡ラーメンの最高峰“ちゃん系”は、それぞれの店で絶対体感してほしい。



本連載でご協力いただきました福岡のラーメン店の皆様。おごちそうさまでした。また啜りにいきます!!

【ふくちゃんラーメン】
住所:福岡市早良区田隈2-24-2
電話:092—863-5355
営業時間:11:00〜21:00
休み:火曜
席数:21席
駐車場:20台

【江(こう)ちゃんラーメン】
住所:福岡市早良区原3-10-16
電話:092-843-8238
営業時間:11:30〜21:00
休み:不定休
席数:14席
駐車場:なし



上村敏行(かみむらとしゆき)。1976年鹿児島生まれ。2002年よりラーメンライターに。以降年間300杯を食べ歩き「ラーメンWalker」はじめ各媒体での執筆活動、ラーメンイベント監修などを行う。KBC地域リポーター。

※この記事は2020年の情報です。内容は変更している可能性があります。事前にご確認ください。

江ちゃんラーメン

住所:福岡市早良区原3-10-16
電話番号:092-843-8238
営業時間:11:30〜21:00
定休日:不定休

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