クラシカル豚骨+焼きめし+ホルモン=口福!「だいあん」ふるさとWish 篠栗町 ~年間300杯!豚骨戦士 福岡のラーメンを斬る!VOL.16~

大将夫婦、娘さんの優しさあふれる篠栗の愛され店

「だいあん」のラーメン(¥470)。豚骨×鶏ガラの芳醇なスープ。好みで卓上のニンニクチップを。この旨さで¥470はお得すぎる!

福岡県内の全市町村を訪れ、各地で食べるべきラーメンを紹介する本連載。
普段さまざまな媒体でラーメンの取材を行い、年間300杯を20年以上に渡り食べ続けているが、やはり福岡市内が中心。郊外に目を向けると未食の名店がまだまだある。今回紹介する糟屋郡篠栗町「だいあん」も、いつか行かなければと思っていたいわゆる宿題店。そして、これが想像以上に旨かった! さらに大将の人柄、店のイニシエ感もサイコー!! 胸を張ってプッシュしたい。

JR篠栗駅や篠栗町役場の近く。店の表と裏側、両方に入口がある。 篠栗出身の芸人・パンクブーブー黒瀬さんも通う店

「だいあん」は、JR福北ゆたか線篠栗駅(駅舎がレトロでかわいい)の近く。篠栗町の中心地にある“街のラーメン店”だ。外観は「ラーメン チャンポン ヤキソバ 」と色あせた文字の看板がかかり、はためく青い暖簾もなんとも味わい深い。本連載のVOL.7の大木町「久留米軒」でも“地元の愛され店はレトロさの中に気品が漂っているもの”と書いたが、「だいあん」もまさにそう。決して飾りっけがあるわけではない大衆食堂の雰囲気のなかに、ちょっとした特別感がある。例えば、店内を見渡して欲しい。掃除が隅々まで行き届いている。食べ残しも、ほこりも落ちていない。テーブル、椅子もベタベタしないようきれいにふかれている。また、カウンター前にはコンクリートの目隠しがドスンとあって、この“高さ”が絶妙。いかにも頑固そうな大将の表情、テキパキとした動きは見てとれるが、決して手元は明かさないようになっている。料理、店作りとも強いこだわりがあるのだ。

大将の小野忠隆さん(75歳)。宮崎県延岡市出身で、熊本を経て福岡県篠町へ。「体の続く限りラーメンを作りたい」

「だいあん」は平成7年に篠栗町に店を構えた。もとは熊本にあり前身店から数えると約30年の歴史がある。大将の小野忠隆さん(75歳)と奥さんが迎えるアットホームな店。現在は、奥さまが体調をくずし、娘さんが手伝っている。
「熊本でラーメン店をしよって篠栗へ移住してきたと。何で篠栗やったかって? 篠栗にある一ノ滝寺に参拝しに来た時に、いい場所やな~と思って」
話してみると、とても気さくな大将。

カウンター上に貼られたメニュー表。掲げられていないか替え玉(¥120)もオーダー可能

ラーメンは豚骨に鶏ガラの要素も感じる。まろやかなスープのなかで、チャーシューの煮汁をベースにした醤油ダレの甘味がほんわり(1杯470円。安い!)。
海苔がのったビジュアルは久留米系を思わせるが、ルーツは大将が以前住んでいた熊本のラーメン。確かに、中太麺の感じと、卓上に置くニンニクチップは熊本ラーメンLikeだ。他のお客さんも熊本っぽいと称するそうだが、マー油などはなく、ラードも抑えているので比較的あっさり。大将独自のラーメンと言えるだろう。シンプルなラーメンと、同じスープで作るチャンポンと人気を二分する。

ホルモンの味噌煮込み(¥510)

サイドメニューには焼きめし、そして「ホルモンの味噌煮込み」を頼むべし。
「筑豊といえばホルモンやけど、どて焼き風のものが主流。ウチは熊本のホルモン煮込みのようによりさっぱりと。材料の豚ホルモンもいいものを使っとるバイ」と大将。
このホルモン煮込みが絶品で、皿に残ったタレにご飯を入れて食べる人も多いとか。

「だいあん」の営業時間は11:30~15:00。75歳の大将が1人でラーメンを作っているため、出てくるまで時間がかかることもあるが、そこはご愛嬌。店の雰囲気も含め楽しんでもらいたい。

【だいあん】
住所:福岡県糟屋郡篠栗町篠栗4860-1
電話:092-948-3400
営業時間:11:30~15:00
休み:水曜
席数:36席
駐車場:1台

※この記事は2019年の情報です。内容は変更している可能性があります。事前にご確認ください。

だいあん

住所:糟屋郡篠栗町篠栗4860-1
電話番号:092-948-3400
営業時間:11:30~15:00
定休日:定休日:水曜

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