「0から1へ」(福岡県八女郡広川町)

福岡県の広川町で昭和10年から鋳造用の「型」をつくる吉田木型製作所。
砂でできた「砂型」に高温で溶かした鉄を流し、冷やし固めてつくる鋳物。
その砂型のさらに元となる「主型」を、鋳造法やコストに応じ、木・金属・樹脂等で製造しており、機械の細かな部品から、橋の欄干やマンホールなどの大型製品まで、様々な鋳物の主型を手掛ける。

形のない物を作り出すワクワク感がこの仕事の魅力だと語る吉田さん。
新たな型を作る際は依頼者が持ち込む設計図から始まる。
その形が型としての強度を保てるか、流し込む鉄の通り道をどこに作るか、冷え固まったときに鉄が縮むことを考えての寸法など設計図をもとに、出来上がる型を想像する力と、形にする高い技術力が求められる。

鋳物屋からの受注を基本とする中、吉田木型製作所はその高い技術力を生かし、自社ブランドである「(READY MADE)PRODUCTS」を立ち上げ、鍋やオーブンなどの商品の開発を始めるなど、新たな取り組みにも挑戦している。

そんな吉田さんが未来に残したい風景は「竜光寺公園」。
工業団地の一角にあり、ため池を中心とした自然豊かな公園だ。
休日には家族連れも多く訪れ、子どもたちの遊び場はもちろん、池の周りを散歩したり、ジョギングなど楽しめる。

吉田さんも子どもが小さい頃はよく遊びに連れてきたそう。
季節の木々を楽しみながら歩いたり、子どもたちの遊ぶ声を聞くとホッとできるという。
自分にとってもそうだが、町民にとっても欠かすことのできない大切な場所だ。

※この記事は2023年の情報です(「STORY」2月19日放送)。

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