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「未来への研ぎ」(福岡県田川郡福智町)
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初めて日本刀を見たとき、沖島大喜さんはそのカッコよさと美しさに魅了された。
人間国宝の刀剣研磨師・永山光幹氏の弟子・河本光誠氏に師事し、独立した後、日本美術刀剣保存協会の現代刀職展で努力賞を2度受賞。現在は本阿弥流刀剣研磨師として活躍している。
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研師として最も重要なのは、刀の有るべき姿を見極め、刀工の鍛えた地鉄、刃文の魅力を最大限に引き出すことだ。
形を整えることは当たり前、その先にある美術品としての価値を高めるため、刀とじっくり対話をしながら化粧を施していく。
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研ぎひとつで、その刀を良くも悪くもしてしまうため、研磨における研師の責任は重大だ。
数百年前の刀が現代にまで美しく残っているのは、歴代の研磨師が繋いできたという証だ。
古いものだと平安・鎌倉時代の刀が現存するため、失敗は許されない。
刀の命を、次は自分が未来の研磨師へと繋いでいきたいと言う。
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そんな沖島さんが未来に残したい風景は「福知山にある白糸の滝」。
福智山の中腹にある落差25メートルの滝で、かつて修験道の滝行が行われていたと言われている。
バイクやキャンプ、釣りなど、ふだんからアウトドアな趣味を持つ沖島さんは、自然を求めてよくこの場所を訪れる。
木々の合間から差す木漏れ日、滝から流れ落ちる水の音、肌に当たる水しぶきなど、五感で自然を感じることができる。
失敗が許されないプレッシャーの中で生きる沖島さんにとって、この場所は、エネルギーを補給する大事な場所だ。
※この記事は2023年の情報です(「STORY」3月26日放送)。