【淑女のご褒美手帖 2頁目】『焼鳥まこ』(福岡市中央区)
福岡市中央区薬院。警固小学校の向かいにあるビルの2階。
『焼鳥まこ』は福岡市中心部にありながら、静かにゆっくりと、おいしい焼き鳥を堪能できる大人の隠れ家です。
焼き台を囲む白木のカウンターに、4人掛けの個室。
「ベストなタイミングで召し上がっていただきたいから」と、店主の目が行き届く範囲にしつらえた客席です。
メニューは6,600円のおまかせコースのみ(季節の前菜数品、串10本/21:00以降はアラカルトのみ)。
コース前半の季節料理は4品ほど。中でも“猫に小判”は、最中にレバーパテとイチジク、クルミを挟んだかわいい&あてにぴったりな一品。これ一つでグラス1杯開けてしまいそうなほど、どんなお酒にも合う!これから始まるコースへの期待もぐんと高まります。
鶏は鹿児島県の「黒さつま鶏」。通常80~90日ほどで出荷する農場が多い中、『焼鳥まこ』では、120日かけて長期肥育する農場から仕入れています。店主の福田 剛人さんはその味にほれ込み、農場を訪ねて、肥育法を自らの目で確かめたそう。手塩にかけられた素材を最大限に生かすために炭にもこだわり、国産で最高品質の伊勢志摩産備長炭を使っています。
「当日の仕入れで、焼き鳥の出す順番を変えます。コースの最初に一番おいしい部位を出すことが多い。素材のうま味を存分に味わってもらいたいので」と絶対的な自信をのぞかせる福田店主。串の8割を塩で提供するのも、素材の味が最もひき立つ食べ方だからだといいます。
この日は塩でささみ、砂ずり、うずらの卵、万願寺唐辛子、ハラミ、つくね、フリソデ、ズッキーニ、そしてタレでハツモト、鶏皮というラインアップ。
抜群の火入れでうま味が凝縮されたささみで、もうとりこに。さらに、手羽元とムネの間の“肩”にあたる「ふりそで」、ハツ(心臓)の根本「ハツモト」と、焼き鳥店ならではの希少部位も存分に。タレではなく塩で提供される「つくね」は自家製の粗挽き。噛むほどに甘い脂が口に広がります。「次は何が出てくるのだろう」と、最後まで胸躍る1時間強。終わりが見えるにつれ、「もう一度初めから食べたい」という思いにかられました。
もしお腹いっぱいでも、単品の〆はぜひ食べてもらいたい!おススメは『焼きおにぎり』(450円)。焼き鳥のタレを塗って焼き目を付けたおにぎりに、大分県産のブランド卵『蘭王』の漬け卵黄をのせて。美しく輝く黄身をわっておにぎりと絡めれば、究極の“卵かけご飯”の出来上がりです。スイーツでなくとも、これは別腹でしょう。他に〆として、同じ漬け卵黄を使った『そぼろ丼』(660円)、黒さつま鶏の鶏油を加えた『中華そば』(770円)があるので、お好みでどうぞ。
落ち着いた空間で、非日常を味わえる『焼鳥まこ』。
大切な人との会食に選んでほしい一軒です。
『焼鳥まこ』
福岡市中央区薬院2-14-18 YAKUIN KZ LIFE BLD.2F
092-214-7053
17:00~24:00
Instagram@yakitori_mako ※定休日はインスタで告知