
赤のすべてがココに!育てる人、つくる人、届ける人!「赤村特産物センター」で出会う“ごちそう”。(福岡・赤村)【まち歩き】

英彦山のふもと、のどかな田園風景が広がる赤村。その中心に、まるで村人のぬくもりが集まったような直売所「赤村特産物センター」があります。取材に訪れた日は春の陽気。玄関先では新玉ねぎの甘い香りがふわりと漂い、すでに心がほどけてしまいました。平成三年に一軒の小屋から始まったというこのセンターは、今では村じゅうの特産が集まる、まさに“赤のすべて”が詰まった場所になっています。

みずみずしい旬が、ぎゅぎゅっと。赤村の野菜はとにかく新鮮。
春:新玉ねぎ ブロッコリー たけのこ 山菜 アスパラガス
夏:きゅうり ピーマン オクラ トマト すいか
秋:じゃがいも さつまいも 里芋 なすび 椎茸
冬:菜 白ネギ 大根 ほうれん草 柑橘 など
季節を彩るラインナップが勢ぞろい。その秘密は、蛍が舞うほど清らかな水と、寒暖差のある気候。大地の恵みをたっぷり受けて育った野菜たちは、味も香りも一級品です。

■土と水がくれた、まっすぐな味──自然の力をまとう「赤村米」の魅力。
赤村の田んぼを吹き抜ける風は、どこか優しい。英彦山から流れ出る清らかな水、昼夜の寒暖差がもたらす自然のリズム。そんな環境で育てられた「赤村米」は、ただの主食というよりも、まるで赤村という風土そのものを味わうようなお米です。
おむすびにしても、お弁当にしても、炊き込みごはんでも主役級の存在感。自然の恵みが詰まった一粒一粒を、ぜひ日々の食卓で味わってみてください。
■農林水産大臣賞を受賞(令和3年度)した旨味抜群の豚肉
緑深い山々に囲まれたこの土地で、大切に育てられているのが『赤村養生館』の「あかむら養生豚」です。
“養生”の名のとおり、豚たちはストレスの少ない環境でのびのびと育てられています。飼料や育て方にもこだわりがあり、健康を第一に考えた養豚が行われています。そのため、あかむら養生豚は脂の質がよく、肉本来の旨みが感じられると評価されています。
赤村特産物センターでは、この養生豚のロースやバラ肉の、しゃぶしゃぶ用や焼肉・トンカツ用まで、さまざまな料理で使える精肉をお買い求めいただけます。
■手作り弁当で、ほっと一息
すぐ隣の加工場で作られているというお弁当も人気の一品。「安くてうまい」と評判で、地元の食材を活かした献立は、その土地の空気までも味わえるような仕上がり。スタッフの方曰く、作っているのも地元のお母さんたちとのこと。まさに“赤村の台所”。
このほか、加工品エリアには、ドラ焼きやあんこ餅、芋団子などの 和菓子をはじめ、洋菓子も数多く並んでいました。

買い物を楽しんだ後は、外のテラスで一息。目の前に広がる牧歌的な風景に心がほどけます。副店長の春本さんに「ほかに、おすすめのスポットはありますか?」と尋ねると、「女子トイレが綺麗なんですけど、記事になりますかね?笑」と紹介してくださいました。春本さんの無邪気な表情に思わずにんまり。その一言に“おもてなし”の本質を見た気がします。──誰かを迎える場所、人気であり続ける理由には、こういった細やかな心配りがあるのだなと感じました。※たまたま清掃中だったので、特別に女子トイレに入らせていただきました。想像以上に、綺麗でした。

■つながりの味がする場所
赤村特産物センターを歩いていて感じたのは、「育てる人、つくる人、届ける人。」どこか“顔が見える”安心感。長年支えてきたスタッフさんたちの笑顔、生産者さんとの気さくなやりとり。それらすべてが、赤村という村のぬくもりをそのまま映し出しているようでした。
取材の終盤、「ポスターの撮影用に、どなたかご協力いただけますか?」と春本さんに尋ねると、「じゃあ、古株を連れてきますね」とニコリ。
連れてきてくださったのは、20年以上この場所で働かれているベテランの方。みなさん素敵な笑顔で写ってくださいました。
■「また行きたくなる場所って、たいてい人が温かい。」
そんな風に思わせてくれる、赤村特産物センター。自然と笑顔になれる、そんな時間が待っています。ぜひ、のんびりしに訪れてみてください。心も、お腹も、きっと満たされますよ。
■『赤村特産物センター』
住所:田川郡赤村大字赤5951-1
TEL:0947-62-2990
営業時間:8:30~18:00 ※冬季 ~17:00
定休日:年末年始
駐車場:約50台
[HP]
https://sites.google.com/view/akamuratokusan