福岡県東峰村で、名水百選の恩恵を受けながら酒造りを続ける「片岡酒造」。かつての豪雨災害という困難を乗り越え、いま、伝統の味わいが国境を越えようとしています。
今回、片岡酒造が新たな販路として選んだのは、アジアの食のハブである「香港」。食品のサブスクリプションサービス「オイシックス・ラ・大地」の海外事業「Oisix香港」とタッグを組み、福岡県のフェア企画として初となる海外輸出に挑戦します。
■2026年2月19日から香港で「福岡フェア」が始動!
Oisix香港は2009年にスタートしたオイシックス・ラ・大地初の海外事業です。厳しい独自基準をクリアした日本の新鮮な食材を香港の家庭へ届けていて、現地では「安心・安全な日本ブランド」として富裕層を中心に厚い信頼を得ています。今回のフェアは、福岡県香港事務所と連携したオンライン企画。単なる販売にとどまらず、購買データの分析による今後の輸出促進や、来店クーポンを通じた福岡への観光誘致など、「食と観光」の相乗効果を狙った先進的な取り組みなんです。
■きっかけは2025年11月・・・香港での「縁」が開いた扉
「片岡酒造」の片岡拓之さんが今回のチャンスを掴んだきっかけは、2025年11月。香港で開催された世界最大級の酒類展示会「ワイン&スピリッツ」への出展でした。現地で直接、香港の消費者の熱気や日本酒への関心の高さを肌で感じた片岡さん。その展示会で「Oisix香港」の山本成信さんとの出会いが、今回のコラボレーションへと繋がりました。世界進出への意志を固めてからわずか数ヶ月、スピーディーに初輸出が実現することとなります。
■Oisix香港が「片岡酒造」を選んだ理由
日本酒の輸出先として世界第3位の規模を誇る香港。競合がひしめく中で、なぜ片岡酒造が選ばれたのでしょうか。Oisix香港の山本さんは、その魅力を次のように語ります。
「片岡酒造のお酒は、名水百選『岩屋湧水』を用い、手仕込みの伝統を頑なに守られています。特に軟水仕込み特有の、まろやかで優しい口当たりは、香港のお客様にも必ず喜んでいただけると確信しました」
山本さんは「片岡酒造のお酒をはじめ、日本の食品の魅力を香港の消費者にしっかりと伝え、生産者の皆さんに伴走していきたい」と、決意を新たにしています。
今回のフェアでは、片岡酒造を代表する2つの銘柄が海を渡ります。
「福稲 大吟醸」:雑味がなく、華やかで透き通るような香りが特徴。スルスルと飲める滑らかな舌触り。
「吟醸 寶珠山」:地元の名峰の名を冠したお酒。お米のふくよかな旨みがあり毎日の食事を格上げする一本。
■地域活性化のきっかけに
初めての海外輸出を前に、片岡酒造の片岡さんは次のように語ってくれました。
「海外への挑戦は今回が初めてのことで、お話をいただいた時は本当に嬉しく、ありがたい気持ちでいっぱいでした。今、国内市場が伸び悩む中で、福岡県内のメーカーも次々と海外へ打って出ています。片岡酒造も、東峰村が誇るこの素晴らしい名水で醸した酒を、ぜひ世界の方々に味わっていただきたいと強く思っていました。振り返れば、あの大変な水害が、私たちがここまで来られた一つのきっかけでもありました。辛い経験でしたが、それを乗り越えた今、この挑戦が地元・東峰村の『村おこし』のきっかけになり、地域を元気にすることができればと願っています。何より、日々一緒にお酒を造ってくれている仲間たちにとって、自分たちの酒が海を渡ることは大きな励みになっています。今回の香港を皮切りに、これからも海外へのチャレンジを続けていきたいです」
豪雨災害という大きな試練を経験した東峰村。しかし、その豊かな自然と水が育んだ日本酒は、今や村の復興と希望の“象徴”として、香港の食卓を彩ろうとしています。
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