2026年1月26日 NEW OPEN!美術館のような空気が漂う、六本松の新カフェ『canvas』一枚の絵を描くようにゆったりと過ごす私だけのひと時。(福岡市中央区)【まち歩き】

福岡市中央区谷1丁目。地下鉄七隈線・六本松駅から徒歩3分ほどの一角に、26年1月26日、一軒のカフェが新たな扉を開いた。店名は『canvas(キャンバス)』。オーナーの川近洋斗さんは24歳。IT企業での営業職を経て、独自のコンセプトを胸にカフェ開業へと踏み出した。その空間に踏み込むと、深いこだわりと人間的な温かさが自然と滲み出てくる。


■旅館の消滅が、背中を押した

川近さんのルーツは、大分県天ケ瀬町の旅館にある。ひいおじいちゃん・ひいおばあちゃんが旅館を営み、祖父母は大衆演劇の世界で育った。本来なら家業を継ぐ立場だったが、母親の「大学まで出て、自由に選択してほしい」という言葉で、まず義務教育・高校・大学を歩んだ。

大学4年の時、祖父が脳出血で倒れ、「後継ぎが必要だ」と就職活動終了後に大衆演劇へ入ったが、結果的に就職の道も残された。そのままIT企業へ進み、建築用CADソフトの営業職として働いた。「人と話すのが大好きで、営業はめちゃくちゃ楽しかった」と笑う。

ところが、その旅館が川幅拡張工事のための立ち退きを余儀なくされた。家業の柱が一本倒れた瞬間だった。「何か新しいことをしなければ」──そう感じた川近さんは、入社から一年半でIT企業を退職し、カフェ開業へと舵を切る。

■スタッフと話し合い、自分たちで作り上げたオペレーション

コロナ禍という時代もあり、学生の頃の飲食業でのアルバイト経験は限られていた川近さん。それでも「スタッフと話し合いながら、自分たちにとってやりやすい動線やオペレーションをゼロから作れた」とポジティブに振り返る。既存のルールに縛られず、現場で働く人たちの声を大切にしながら店をかたちにしている。

物件は仕事の休憩中にスマホで見つけた。大手門や呉服町も検討したが、どこかイメージと違った。そんな時にこの物件を発見し、即日見学・申し込みを決めたという。「その日に来て、その日に決めました」。

■美術館をイメージした、キャンバスという名前の理由

店名『canvas』には、明確なコンセプトが込められている。「キャンバス生地 ── 絵を描く下地 ── そこにお客さんが来て、スイーツが提供されて、楽しく過ごす。その全部が合わさって、一枚のアートになる」というイメージだ。

内装はもともとグレー一色にする予定だったが、パートナーと妹さんのアドバイスで「この壁の質感は残した方がいい」「日本にはあまりない雰囲気」と方向転換。イメージカラーをグリーンに定め、美術館的な空間を目指した。外から見ると少し入りづらく感じるかもしれないが、一歩踏み込むと開放的で落ち着いた空間が広がる。夜は間接照明のみになり、同じ空間がまた別の顔を見せる。

一人で来る人も、恋人と来る人も、赤ちゃん連れも、ペットも。「どんな人でも、誰でも来られる場所」であることを体現しているのが、このキャンバスという名前だ。

■毎回形が変わるプリンと、繊細なラテアート

おすすめメニューを聞くと、真っ先に「プリン」(税込450円)が挙げられた。アイスクリームのようにカラメルがとろけ合う見た目が特徴で、毎回少しずつ形が変わる。「アートに型がないように、プリンにも決まった型はない。来るたびに違う形がある」というコンセプトを体現している。

ラテアートも人気だ。エスプレッソマシンで練習を重ね、今では来店客が思わずカメラを向けるレベルに。

他ではあまり見かけないオリジナルなメニュー「抹茶ストロベリーミルク」(税込700円)など、層が美しく見えるドリンクメニューも好評だ。

今回は「ホットサンド・ベーコンエッグ」(税込650円)も注文してみました。見た目以上にボリュームがあり、気づけば満腹に。カフェスイーツだけでなく、しっかりお腹を満たしたい時にも頼れる一品だ。

夜8時以降はトリュフポテトやラザニアなどのフードメニューも登場し、アルコールも提供。「居酒屋はちょっと重い、でもちょっと飲みたい、家だと寂しい」──そんな夜のカウンターの使い方を川近さんは提案する。

■地元の豆、地元の野菜、縁のある人たちで作り上げる店

コーヒー豆は天神の『ニシナ屋珈琲』から仕入れる。産地や焙煎のバリエーションが豊富で、段ボールに「初恋を思い出させる」など書かれた手書きポップが添えられた、ユニークなスタイルの豆屋だ。野菜もなるべく地元の八百屋から調達し、鮮度と産地、両方に妥協しない。

内装工事は旅館の改修でつながりのある久留米・ヤマト建設、床のコンクリートは親戚が施工と、なるべく「縁のある人」で固めた。スタッフも大学の友人や前職の先輩など、信頼できる顔ぶれ。スイーツはカフェ開業に向けて出会ったパティシエが担当し、パートナーもスタッフとして店を支えている。

オープン前にはマレーシアで3店舗のカフェを経営する人物が偶然来店し、逆にラテの技術を教わるという出会いも。「人と話すことが好き」という川近さんのキャラクターが、こういった縁を引き寄せているようだ。

六本松付近を訪れた際は、ぜひ足を運んでみてほしい。

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■『canvas(キャンバス)』
住所:福岡県福岡市中央区谷1-13-20 CLASSIER SWITCH 101
営業時間:月・水・木曜 12:00〜20:00 / 金・土・日 曜12:00〜24:00
定休日:火曜・毎月27日(詳細はInstagramで要確認)
Instagram:@canvas_fukuoka
https://www.instagram.com/canvas_fukuoka
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記載の内容は2026年2月時点での情報です。変更している場合がございます。

■ canvas(キャンバス)

住所:福岡県福岡市中央区谷1-13-20 CLASSIER SWITCH 101
Instagram:@canvas_fukuoka

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