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毎週土曜 午前10:00~

放送内容

急性膵炎

2021年06月19日

[過去の放送内容]

今回、急性膵炎についてお話を伺ったのは、福岡山王病院 膵臓内科 神経内分泌腫瘍センター センター長の伊藤 鉄英(いとう てつひで)先生です。

■急性膵炎とは

急性膵炎は膵臓に起こる病気です。
私たちが食べ物を食べると、膵臓は食べ物を消化するために消化酵素を含んだ膵液を作って十二指腸へ送り出します。
しかし、その膵液がさまざまな要因でドロドロの状態になると、膵臓内にある膵管の中で詰まって膵臓そのものを溶かしてしまいます。
これが急性膵炎です。


■膵臓とは

膵臓は胃の後ろにあり、長さは12~15㎝です。
インスリンを出して血糖のコントロールをしたり、消化酵素である膵液を出して食べ物を消化したりしています。


■急性膵炎の原因①

急性膵炎の原因で一番多いのがお酒の飲みすぎです。お酒をたくさん飲むと、もともとサラサラだった膵液がドロドロになってしまいます。
ある機関の調査によると、日頃 大量にお酒を飲む人はそれほど飲まない人と比べて、
急性膵炎をはじめとする膵炎になるリスクが5.4倍になることが分かっています。


■急性膵炎の原因②

アルコールの次に急性膵炎の原因となるのが胆石です。
胆石は体の中にできる数㎜から数㎝の石で、油っこい食べ物をとり過ぎるとできやすいとされています。
胆石は胆のうや胆管にできる石ですが、胆管からコロコロと落ちてくると、十二指腸にある膵管の穴にはまり込みます。
そうなると膵管から十二指腸に出される膵液が出にくくなり、膵臓内に留まって急性膵炎を起こすことになります。


■2大原因の特徴

急性膵炎の2大原因であるアルコール性はお酒を飲む人が多い男性に、胆石性は女性に多く見られます。
胆石性に女性が多いのは女性ホルモンの減少が要因です。
40代になって女性ホルモンが減少すると、胆石の主成分である脂質の代謝が低くなって胆石ができやすくなるといわれています。


■急性膵炎の症状

急性膵炎の一番の症状は痛みで、膵臓が溶け出すことで みぞおち付近に激痛が走ります。
また、膵臓は背中側にある臓器なので背中に痛みが起こることもあります。さらに、発症者のおよそ3割の人に吐き気が見られます。
ちなみに吐き気ですが、飲み過ぎた時に吐いて楽になると胃腸炎、吐いても痛みが止まらないと急性膵炎と考えられます。


■急性膵炎の予防・対策

急性膵炎の予防・対策は何より2大原因の見直しです。日頃から、揚げ物など油っこいものをよく食べる人は量を減らすようにしましょう。
また、お酒はほどほどに。

過去の放送内容