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毎週土曜 午前10:00~

放送内容

紫外線と皮膚がん

2021年08月01日

[過去の放送内容]

今回、紫外線と皮膚がんについてお話を伺ったのは、九州大学病院 皮膚科・油症ダイオキシン研究診療センター 准教授の辻 学(つじ がく)先生です。

■紫外線とは

紫外線とは、太陽から来る光の一種で、UV-AとUV-Bがあります。UV-Aは比較的波長の長い紫外線で、皮膚の中層部位に達します。
そして、皮膚のコラーゲンを分解して、シワやたるみの原因になります。
UV-Bは比較的波長の短い紫外線で、皮膚の表層にしか達しませんが、そこの細胞にダメージを与えます。
また、日焼けで肌が赤くなる原因と考えられています。
肌は紫外線からのダメージを守るために「メラノサイト」という細胞を作り出しますが、増えすぎると皮膚にシミやほくろのようなものができます。
紫外線は、長年浴び続けることで皮膚がん発症の要因となるため、日差しの強い今の時期は特に注意が必要です。


■紫外線による皮膚がん

紫外線による皮膚がんには、大きく3つがあります。
1つ目は有棘(ゆうきょく)細胞がん。2つ目は基底細胞がん。3番目は悪性黒色腫です。
有棘細胞がんは、紫外線によってできる前がん病変「日光角化症(にっこうかくかしょう)」が進行したもので、患部が大きく盛り上がります。
基底細胞がんは、若い頃にはなかったほくろのような物が、次第に黒く大きくなってできるがんです。出血を伴うことがあります。
悪性黒色腫は、シミやほくろのような物がだんだん不規則に広がってくるがんです。


■紫外線による皮膚がんの傾向

紫外線による皮膚がんは、近年では高齢の男性に多い傾向があります。
女性は、普段から日焼け止めなどのスキンケアをしているのに対し、高齢男性は怠りがちで、
長年蓄積した紫外線のダメージが、そのような傾向を生むのではないかと考えられています。


■新型コロナと皮膚がん

新型コロナウイルス感染対策で多くの人がマスクをしていますが、マスク着用に由来する病変に「マスク皮膚炎」があります。
マスク皮膚炎の症状として口唇炎(唇が荒れる)が今、非常に多く見られますが、実は口唇炎は皮膚がんの初期症状のひとつでもあります。
なかなか治らない口唇炎があるときには皮膚がんの可能性もあるので、心配な場合は近くの皮膚科を受診しましょう。


■皮膚がんの診察と治療

皮膚がんの診察では、ダーモスコピーという特殊な拡大鏡で患部が調べられます。
皮膚がんと診断されたら、手術をしないといけないと思われがちですが、
医学の進歩によって、前がん病変の日光角化症であれば塗り薬で治療することも可能となりました。


■紫外線による皮膚がん対策

紫外線による皮膚がん対策として、日焼け止めを正しく塗りましょう。手の甲や耳は皮膚がんの発症率が高いとされるので特に注意が必要です。
また、外出の際の帽子や日傘の使用は言うまでもありません。


■まとめ

皮膚がんは比較的、自分で気付きやすい病気です。もし、気になるシミやほくろなどがあった場合には、近くの皮膚科を受診しましょう。

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