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毎週土曜 午前10:00~

放送内容

大動脈解離

2023年12月02日

[過去の放送内容]

今回、大動脈解離についてお話を伺ったのは、
国立病院機構 九州医療センター
循環器センター 血管外科副部長の
古山 正 (ふるやま ただし) 先生です。

■大動脈解離とは

大動脈解離とは、大動脈という最も大きな動脈が裂けるものです。
大動脈は、肺以外の全身の臓器に血液を供給していますが、
大動脈解離が起こると、臓器への血液の供給が阻害されたり、
大動脈の壁自体が薄くなって出血したりすることがあります。


■大動脈と大動脈解離のメカニズム

大動脈は、500円玉程度の太さの血管で、
外膜 (がいまく)・中膜 (ちゅうまく)・内膜 (ないまく)の三層構造です。
大動脈解離が起こると、内膜と中膜の間が裂けて、
本来の血液の通り道の真腔 (しんくう)とは別の、偽腔 (ぎくう)ができます。
重症な場合では、数㎝から1mにかけて血管壁が裂けます。


■大動脈解離の症状

大動脈解離の症状は、失神、胸や背中の痛み、手足のしびれといったものです。
また、大動脈解離は心臓の近くで発症するケースもあります。
その場合、今までに経験したことがないくらいの強い胸の痛みが起こって、
緊急手術が必要になります。


■大動脈解離の原因

大動脈解離の危険因子には、
高血圧、喫煙、睡眠不足、精神的ストレスなどが挙げられます。
この中で、最も重要なものは高血圧と言われています。
高血圧は塩分の過剰摂取で起こりやすく、
日本人は塩分を過剰に摂取する傾向があるので注意が必要です。
血液中に塩分が多く入ってくると、
体は塩分の濃度を薄めようとして、血管内に水分を溜め込みます。
それによって、血管内の血圧が上昇して高血圧になります。 


■大動脈解離の注意点

大動脈解離の発症は70代がピークで、
時期的には寒い時期が多いと言われています。
寒い時期は、血圧の変動が激しいのが理由です。
温度差の激しい所を行き来することで血圧が乱高下し、
大動脈解離を発症しやすくなります。


■大動脈解離の対策

大動脈解離の対策として、毎日血圧を測って、
高血圧になっていないかチェックしましょう。
特に高齢者は、加齢とともに血圧が高くなりやすいので注意が必要です。


■まとめ

大動脈解離は突然起こるので、事前に検査で把握しておくことは困難です。
そのため、日頃の体調管理が重要になります。
家族に発症した人がいる、自身が高血圧である、といった場合には、
一度、かかりつけの先生に相談しましょう。

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