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放送内容

抗がん剤治療

2019年05月25日

[過去の放送内容]

今回、抗がん剤治療についてお話を伺ったのは、
浜の町病院副院長・腫瘍内科部長の
三ツ木健二(みつぎ けんじ)先生です。

■抗がん剤とは

抗がん剤とは飲み薬や点滴、注射で体内に入れられ、
全身を巡ってがん細胞を攻撃するものです。
白血病などの血液のがんをはじめ、
周囲に広がって手術で切除できないがん、
転移のあるがん、
転移の可能性のあるがんの治療に用いられます。


■抗がん剤の特徴と副作用

がん細胞は正常な細胞よりも増殖するサイクルが早く、
無制限に増える特徴があります。
そこで抗がん剤の多くは
増殖サイクルの早い細胞を攻撃するように作られています。
ところが正常な細胞の中にも
増殖するサイクルが早い細胞があり、
それらはがん細胞と同じように、
抗がん剤の攻撃を受けやすくなってしまいます。
主なものが血液を作る骨髄の造血細胞、
口の中の粘膜細胞、
胃や腸といった消化管の粘膜細胞、
髪の毛などの体毛を作る毛根細胞などです。
造血細胞が攻撃されると貧血や出血、感染症、
口腔粘膜なら口内炎、消化管粘膜なら吐き気や下痢、
毛根細胞なら脱毛といった副作用があらわれます。


■副作用への対応

抗がん剤の多くは個人差がありますが、
いつ頃どのような副作用が起こるのか、
だいたいの予想がつくので、
抗がん剤を投与する前後に、
副作用の予防や軽減を目的に支持療法を行います。
支持療法は吐き気や白血球減少などの副作用は
かなりコントロールがつくようになっていますが、
全ての副作用をコントロールできるわけではなく、
しびれや脱毛を防ぐ薬はまだないのが現状です。


■抗がん剤治療の手順

抗がん剤治療では抗がん剤によって
ダメージを受けた正常な細胞を回復させるために、
抗がん剤を投与した後にしばらく休みを設けて、
再び投与するパターンを繰り返します。
この投与と休みを合わせた期間を「クール」と呼び、
抗がん剤治療を何クール行うかは、
治療効果や副作用を慎重に見極めて判断されます。
最近では副作用を抑える支持療法が進歩してきたことから、
1クール目だけ入院して、
その後は外来で抗がん剤治療を続けたり、
初めから外来で抗がん剤治療を行ったりすることもあります。


■抗がん剤治療の方法

抗がん剤治療は手術の前に投与することがあります。
がんが周囲の組織に広がっている場合に
手術前に抗がん剤でがんを小さくすることが目的です。
手術後も再発予防のために抗がん剤治療が効果的で、
胃がんや大腸がんなど、多くのがんで行われています。


■最近の抗がん剤

近年、従来の抗がん剤に加えて、
がん細胞が持っている特定の分子や遺伝子を狙い撃ちする
「分子標的薬」が次々に開発されています。
また免疫細胞を活性化させて がん細胞への攻撃を促す
「免疫チェックポイント阻害剤」も登場して
高い効果が示されています。


■治療の際には

抗がん剤治療を受ける際には
治療の目的や薬の内容、投与期間などを、
医師や病院のスタッフに確認するのが大切です。
副作用も医療の進歩で以前より軽くなっているとはいえ、
全くないわけではなく、
体への負担も決して小さくないので、
どんな症状がいつ頃あらわれて、
どう対処するのかを事前に聞いておくと
治療中のストレス軽減につながります。
特に女性は脱毛による精神的なショックが大きく、
対人関係や社会生活での影響も大きいので、
ウィッグなどを用いて外見を整えることも重要です。

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