毎週土曜 午前10:00~

放送内容

女性のお尻トラブル

2019年12月07日

[過去の放送内容]

今回、女性のお尻トラブルについてお話を伺ったのは、福田肛門外科医院 副院長の福田 ゆり(ふくだ ゆり)先生です。

■女性に多いお尻のトラブル

女性のお尻のトラブルで最も多いのが痔です。若い女性は切れ痔が多く、年配の女性はいぼ痔が多い印象です。
妊娠や出産を経験した女性の多くが、程度の差はあっても痔で悩んだ経験があるようです。
そうした女性の中には自覚症状があっても子育てが一段落するまで我慢して、病状が悪化して初めて受診するケースも見られます。


■いぼ痔

肛門の粘膜の下には網目状の静脈が張り巡らされていて、肛門をしっかり閉じるための柔らかいクッションの役割を果たしています。
ところが何らかの原因で肛門周辺の血流が滞ってうっ血すると、
肛門の内部や外部に痔核(じかく)と呼ばれる いぼ状の膨らみができてしまいます。
これがいぼ痔で、肛門の内側にとどまっているものを内痔核、外に出ているものを外痔核と言います。
内痔核はほとんど自覚症状がありませんが、外痔核は時に激しい痛みを伴います。


■切れ痔

便秘で硬くなった便が肛門を通過したり逆に下痢で勢いよく排便したりをくり返していると肛門の皮膚が裂けることがあります。
これが切れ痔で、激しい痛みと少量の出血を伴います。
初めの頃は切れてもすぐに治りますが、治療しないで放置していると傷がさらに深くなっていきます。
切れ痔になると排便の度に激しい痛みが起こるため、次第にトイレを我慢するようになります。
するとますます便秘になるため、排便の度に肛門を傷つけて切れ痔が慢性化しやすくなります。


■女性に痔が多い原因

女性が痔になりやすい原因としては、まず男性と比べて便秘になりやすい点が上げられます。
女性はトイレに行きたくなっても恥ずかしくて我慢したり、
ダイエットで食事の量を制限したりすることで、人によっては便意が起きにくくなります。
また生理前にはホルモンの作用で便秘になりがちです。
さらに女性に多い冷え性の影響で下半身の血流が悪くなって、お尻に血がたまった場合も痔になりやすいです。


■その他の要因

女性特有のライフイベントも痔と深い関係があります。
女性は妊娠すると血流が骨盤内に集中して肛門周辺の血流が悪化します。
さらに胎児が成長すると直腸や肛門、その周囲の血管が圧迫されるので、お尻がうっ血しやすく痔になりやすくなります。
しかも出産で強くいきむと排便時の数倍にも及ぶ大きな負担が肛門にかかるため、出産がきっかけで痔を発症したり、症状が悪化したりします。
そして産後は授乳で体内の水分が不足したり、乳児の世話で生活リズムが不規則になったり、
育児疲れやストレスが重なったりして便秘に悩む女性が多く、痔になりやすいとされます。


■痔の治療

痔は多くのケースで生活習慣の改善と薬で治すことができます。生活習慣で最も気をつけていただきたいのが排便の仕方です。
無理に排便しようとトイレで長い時間いきむのではなく、少しでも便意を感じた時になるべく短い時間で排便を済ませるように心がけて下さい。
手術が必要な場合であっても多くの場合、30分程度で済みます。
受診が早いほど不快な症状から解放されるのも早いので、痛みや出血などの異常を感じたら早めに肛門科を受診しましょう。

過去の放送内容