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放送内容

脂肪肝

2020年03月14日

[過去の放送内容]

今回、脂肪肝ついてお話を伺ったのは、久留米大学医学部 内科学講座 消化器内科部門 講師の川口 巧(かわぐち たくみ)先生です。

■脂肪肝とは

脂肪肝とは、肝臓の中に中性脂肪という脂が溜まった状態です。
正常な肝臓でも5%ほど溜まっていますが、それを超えてしまうと脂肪肝といわれます。
超音波検査などで発見されるころには脂肪の割合は30%ほどになっているといわれています。


■脂肪肝の原因

脂肪肝の原因は大きく分けて2つあります。
お酒を飲むことによって起きるアルコール性の脂肪肝と、お酒があまり関係しない非アルコール性の脂肪肝です。
毎日の摂取量がビールだとジョッキ1杯以上、日本酒だと1合以上、
ウイスキーだとダブルで一杯以上という人はアルコール性脂肪肝に注意が必要です。
お酒を飲まない人でも日ごろから脂肪分や糖分が多いものを好んで食べる人は非アルコール性脂肪肝に注意が必要です。
近年では非アルコール性脂肪肝の患者さんが非常に増えています。
また運動量活動量が低い人、長い時間座って仕事をして動かない人にも脂肪肝が多くみられることが分かってきています。


■脂肪肝のリスク

脂肪肝になると、肝臓の中で炎症が持続して肝硬変や肝がんになる恐れがあります。
また乳がんや大腸がんにもなりやすいことが言われています。
さらに最近の研究では、心筋梗塞や脳梗塞にも脂肪肝が関係していることが分かっています。


■脂肪肝の注意点

脂肪肝から慢性肝炎などに進行しても痛みなどの自覚症状はほとんどなく、症状から異変を見つけるのは難しいとされています。
肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧などがある人は脂肪肝に注意が必要です。


■脂肪肝のチェック

健康診断などでの血液検査で、肝臓に関連するASTやALT、γGTPの数値が高い場合には脂肪肝の疑いが高くなります。
また、脂肪肝の進行具合は肝臓の硬さで評価する場合があります。
最も簡便な方法は、FIB-4(フィブフォー)インデックスというものです。
AST、ALT、年齢、血小板数から肝臓の硬さを評価することができます。
肝臓が硬くなるということは、肝臓の組織が壊れて線維化していることを示しています。
FIB-4インデックスで出た数値が1.3を超えると、肝臓の線維化が進んでいることが疑われます。
FIB-4インデックスの計算は複雑なので、インターネットを利用して自動計算するといいと思います。


■脂肪肝の予防・対策

脂肪肝を改善するためには、お酒を控えめにして食生活を見直し、日ごろから運動をすることが大事です。
これまでの研究報告によると、運動だけではなく、日常生活も含めて6千歩歩くと脂肪肝が改善するといわれています。
10分間の運動でおよそウォーキング1000歩分といわれているので、
毎日1時間程度 体を動かすことで脂肪肝は改善するといわれています。


■まとめ

脂肪肝は、「これから重要な病気になるよ」という注意信号だと思います。
この注意信号が出た場合には、積極的に食生活を改善したり運動したりするようにしましょう。

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