SDGsの先駆け
2024年04月20日
[宮崎県]
秋月種茂(3)
今から264年前、藩校「明倫堂」を創設した高鍋藩7代藩主・秋月種茂。
「明倫堂」には、藩士を優れた人格者として教育する目的がありました。
地元の歴史を研究している石川正樹さんによると、種茂は、農民の心がわかる清廉潔白な藩士が必要と考えていたそうです。
「種茂は、仁愛に優れ、高潔な人格を持つ武士を幼少から育成することに力を入れたのです。」
当時、藩校で学べるのは武家の家督を継ぐ長男のみでした。
しかし、種茂は次男や三男も学べるという教育改革を断行。
さらに―
志ある者なら、身分を問わず学ぶことが許されるという画期的な政策を打ち出しました。
国を繁栄させるため、農業を盛んにして貧困を無くす。
循環型社会を構築した上で環境を大切にしてきました。
明倫堂創設で目指したのは、「学問をする上で、身分や差別を無くす」こと。
種茂が250年以上前に目指した「豊かな国にするための、持続可能な開発目標」。
それは、現代のSDGsの先駆けともいえます。
種茂が蒔いた種は、やがて大きな実を結ぶことになります。