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福岡市の大濠公園。
岸辺をジョギングしたり、ボートにゆられたり・・・
多くの福岡市民が集う憩いの場です。
そんな大濠公園が誕生したのは、およそ90年前のこと。
その背景には、意外なエピソードがあったのです。

大濠公園は、その名の通り元々は福岡城のお堀でした。
博多の古い地図を見ると、この一帯は草香江と呼ばれる博多湾の入り江だったことが分かります。黒田家はこの入り江を、城を守る外堀にしようと計画したのです。
福岡城は四方に水路を巡らせた水城で、明治維新の頃まで、この大濠公園一帯の水面は現在の２倍以上あったそうです。

公園の整備は大正末期から行われたのですが、晴れて市民にお披露目された時の光景は、現在の大濠公園からは想像もつかないものでした。
残されている当時の映像を見ると、水面を走るウォーターシュート、鏡とガラスで造った20メートルの水晶塔、そして、周囲には最先端のデザインを施したパピリオン！
現在の大濠公園一体は、昭和2年に開催された東亜勧業博覧会の会場として整備されたものでした。