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放送内容

旅人を懇ろにせよ

2018年02月10日

[大分県]

油屋熊八編(2)



別府観光の父と呼ばれた油屋熊八は、今から155年前の1863年、別府とは豊後水道をはさんだ対岸の愛媛県宇和島で生まれました。実家が裕福な米問屋だった熊八は、27歳で町会議員に当選すると、30歳の時に大阪で米の相場師となり大成功を収めます。
ところが日清戦争後の経済動乱で相場に失敗。全財産を失った彼は、再起をかけ妻を残して、単身アメリカへと向かったのです。しかし、何のつてもなく渡米した彼に待っていたのは、その日の食事にも困るほどの生活でした。

3年に及ぶ放浪生活の末、帰国。熊八は新天地を求め、妻とともにこれから温泉で発展の可能性がある別府へとやってきました。やがて別府の地で、亀の井旅館を開業した熊八は、渡米中に出会った言葉を思い出します。

「旅人を懇ろ(ねんごろ)にせよ」。
この言葉は、アメリカで出会った日系人牧師から教えられた新約聖書に書かれた一説でした。「懇ろにせよ」とは、心を込めておもてなしをせよ、と言う意味です。
別府で旅館業を始めた熊八は、訪れる旅人を精一杯の誠意でもてなすために、様々なアイデアを考案し実現していったのです。
そして観光地作りを成功させた一方で、熊八には生涯大事にしたもうひとつの事業がありました。

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