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糸に括りを着けて藍染めし、藍と白の糸で、花や鳥など様々な模様を織りこむ久留米絣。
江戸時代後期に生まれたこの伝統工芸品が一大ブームを巻き起こしたのは明治10年のことでした。
この年、九州では西南戦争が勃発。久留米は南九州に進出する官軍の拠点のひとつとなり、全国からたくさんの兵が集まりました。
実は、この官軍兵士たちが土産にと買い求めたのが久留米絣だったのです。

しかし、あまりの需要に供給が追い付かなくなり、品質の悪い商品が各地で出回ったことで、久留米絣の評判は一気に落ちてしまいます。

そんなピンチの中、関係者達は、久留米絣本来の技法を頑なに守り続けていくことで信頼を回復させていきます。
西南戦争の翌年には、製造者と販売者を明示して責任の所在を明確化。さらに不良品の回収にあたり、ブランドとしての品質維持に努めます。
そして、今から65年前の昭和32年、久留米絣の技は木綿では初めて国の重要無形文化財に指定されたのです。

文化財認定要件は3つありました。
それこそが、200年経った今も受け継がれる久留米絣独特の技法だったのです。