地雷を踏んだらサヨウナラ
2023年03月18日
[佐賀県]
一ノ瀬泰造(3)
昭和47年からフリーの戦場カメラマンとしてバングラデシュ、ベトナムに渡り戦地の真実を伝え続けた一ノ瀬。その後、カンボジアのアンコールワットへ潜入を試みます。
当時、カンボジアは反政府組織のクメールルージュが支配し、外国人の入国は極めて困難でした。
一ノ瀬は一度、国外退去となりますが、再び単独でカンボジアに渡ります。
2度目の潜入は昭和48年11月、26歳の誕生日を迎えた直後でした。
この直前、一ノ瀬は友人へこんな手紙を送っていました。
「今回は、地雷の位置も全然解らず、行き当たりドッカンで例の最短距離を狙っています。(中略)
うまく撮れたら、東京迄持って行きます。
もしうまく地雷を踏んだらサヨウナラ!」
アンコールワットへ潜入直後、一ノ瀬は消息を絶ちました。
それから3年半が経った頃、佐賀県武雄市に住む両親の元へ
376本の白黒フィルムと45本のカラーフィルムが外務省から届けられました。
両親はやがて、我が子のためにある行動を起こします。