日田“おきあげ雛”
2025年03月15日
[大分県]
九州ひな巡り(3)

大分県日田市などに残る個性的な雛人形「おきあげ雛」。
豪華に着飾った人形の裏には…なんと新聞紙が。
「おきあげ」とは下絵をもとに布や綿を使い立体的に盛り上げる「押絵細工」のことで、江戸時代に生まれ、特に筑後川流域で大流行したそうです。
九州のひなまつり広域振興協議会 企画誘致宣伝委員長 瀬下麻美子さん
「『おきあげ雛』や『押し絵雛』とか各地で呼び名は違いますが、自分たちで作る雛です。自分で原型を描いて、着物の余り布などを膨らませて立体化していったものがこういう形になってきます。昔は畳のへりに刺していました。これも雛が買えない庶民たちが娘に対する気持ちだったと思います。」

大きな特徴がその裏地。
多くの人形には新聞紙が貼られています。虫よけや湿気対策になったそうですが、当時の世相が伺えるのも魅力のひとつです。

人気となったおきあげ雛は、やがてひとつのジャンルとして確立され専門の人形師もいたといいます。川津家には人形師だった曾祖母の作品が下絵とともに残されていました。定番のお雛様だけでなく浮世絵や歌舞伎を題材にしたものも多く残っています。
伝統を後世に伝えるため、日田では地元の有志たちが今もおきあげ雛作りに取り組んでいます。