父の背中を追いかけて
2023年03月11日
[佐賀県]
一ノ瀬泰造(2)
一ノ瀬泰造は、昭和22年佐賀県武雄市に生まれました。
出身校である武雄高校には、彼の意外な経歴を示すものが残っていました。
少年時代からスポーツ万能だった彼は、野球部に所属し甲子園に出場していたのです。
写真に興味を持つようになったのは、父親の影響でした。
父・清二さんは太平洋戦争の際、戦地を記録する陸軍・写真部隊に所属していました。
父の手ほどきを受け小学2年生から写真を撮り始めたそうです。
そののち、日本大学芸術学部写真学科へ進学します。
一ノ瀬は武雄に帰省するたび、隣町の有田町に立ち寄って昔ながらの窯元やまちののどかな日常を撮り続け、「いつかはライフワークにしたい」と話すほどお気に入りの場所でした。
「激しい争いと穏やかな日常」。
対極にある景色を彼はどう見ていたのでしょうか。
心のやすらぎを求めながらも彼が目指したのは激しい内戦が勃発していたアンコールワットでした。