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福岡県八女郡広川町『乃田屋』の“がに漬け”をご紹介!

2020年10月26日

[番組で紹介した情報]

『乃田屋』とは?

『乃田屋』は、福岡県八女郡広川町にあります。代表は野田宏一さんです。平成27年に創業、“さわがに”を使った“がに漬け”や“はやの甘露煮”を製造販売されています。(“はやの甘露煮”は息子さんの担当)創業された切欠は、定年退職後、野田さんの鹿児島に住まれる従兄の方のすすめだそうです。その従兄の経営する会社では“さわがに”を使った加工食品を料理屋向けに製造、販売されています。

中野「有明海沿岸では“シオマネキ”という海に住む小型のカニを材料に作られていますが、“さわがに”で“がに漬け”を作られているところは少なくなりました」

“がに漬け”とは?

“がに漬け”は昔から保存食品として民間でも自家製が食されていました。

中野「僕の母も昔作っていました!」
川上「ご家庭で作れるのですか?!」
中野「僕の作り方と野田さんの作り方は違いますけど、昔から親しまれていた味を伝承されています」
川上「イメージですけど“イカの塩辛”みたいなものですか?」
中野「そうです!“カニ”の塩辛と思って頂ければ。今日は豆腐の上にキュウリと“ガニ漬け”をのせてみました」
つぐまさ「これスゴイ!カニの食感が残っているんですね!?良い辛さ!」
平川「美味しい!」
中野「この塩加減に秘密があるそうです。昔はカニと塩を同じ量ぐらい使われていたのですが、昨今はそうもいかないので上手く調整しながら作られています」
川上「カニの殻なんでしょうけど、気になるほどではありませんね」


野田さんの“がに漬け”の材料は、“さわがに”“塩”“唐辛子”のみです。材料の“さわがに”は清流の流域に生息する小型のカニで、野田さんのお話では、2~3年の寿命だそうです。野田さんは“がに漬け”を作り始める際に“さわがに”の生態を研究し、漁に生かしたそうです。野田さんによれば、「さわがには、清流の水の中や岩の下に生息していると思われがちですが、そこ以外にも産卵場所になる杉林などの山林や参道の淵の側溝などに多くいることが多いんですよ。山の高い所でも見かけることがあります。」とのこと。大きな川では「かご漁」で獲ることも多いそうです。一般的な「かご漁」は夜に仕掛け、早朝にあげることが多いのですが、イノシシなどに荒らされるため、“さわがに”の「かご漁」は早朝に仕掛け、夕刻に上げます。

現在、野田さんと提携して“さわがに”漁をされる方は3人ほどおられるそうです。野田さんが使われている“さわがに”は、自分で獲られたものと従兄の方からの仕入れたものです。年間に約250㎏の“さわがに”を使われます。どちらも捕獲後は3日間ほど綺麗な水で「脱糞」という作業をされるそうです。「私の所は大掛かりな施設がありませんので、毎日水をかけたりしながら脱糞作業をします。」とのこと。この際2割ほどは「共食い」などで減るそうです。
「脱糞作業」が終わった“さわがに”は冷凍で保存され、野田さん加工場では一回に5㎏ずつ(5㎏で約1,000匹!)“がに漬け”に加工されるそうです。「解凍後に丁寧に再度洗い、ミキサーにかけます。適度な塩を混ぜ(これが秘密の量)2~3日に一回、浮かんでくるアクを丁寧にすくい取ったあと、かき混ぜる作業を一カ月から一カ月半ほど続けると完成です。」とのこと。

中野「一匹ずつ洗うそうです」
平川「え~~!!一回1000匹ですよね!!」
中野「そしてミキサーにかけて2~3日に一回、かき混ぜながら熟成させていきます」
川上「手間かかっているんだ!!」
中野「臭みがないのは、脱糞処理やアク取りをきっちりされているからです」
川上「温かいご飯の上にのせて食べても美味しそう!」
中野「ほとんど変色しないんほど、丁寧に作られています!」

“がに漬け”を売り始めた時は、直売所などで試食販売を行い、お客さんに色々な意見を伺い、改良を重ねてきたそうです。美味しい“がに漬け”を提供するために、品質の管理をしっかりとしてお届けすることをモットーとしているそうです。食し方は「温かいご飯に」「冷やっこの薬味に」、地元で八女地域では「団子汁の風味付け」「冷やしソーメンの出しの薬味」などに使われます。

●連絡先● 『乃田屋』福岡県八女郡広川町大字水原206-1  
TEL: 090-7986-6723
※『べんがら村』の直売所などでも販売しています。

川上「来週は?」
中野「朝倉市の“つぼまん(新つぼみ菜饅頭)”を御紹介します!」

過去の放送内容