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薫と有紀の日曜日もダイジョブよ!

どなたかエンディングの意味を教えていただけませんか?  映画『デューン 砂の惑星PART 2』

2024年03月15日

[薫と有紀の日曜日もダイジョブよ!]

この作品のさらに詳しい情報はこちら→https://wwws.warnerbros.co.jp/dune-movie/

© 2023 Legendary and Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

 3月8日から3日間限定の先行上映がIMAXとドルビーシネマで行われた。本編前の予告編を含めて上映時間は3時間。シネコンの高価な座席にもかかわらずおしりが痛くなったが、その映像体験はあっという間で体感的には半分の時間だった。

悪役のフェイド=ラウサ・ハルコンネンを演じたオースティン・バトラーの演技の振れ幅には驚くばかりで…。

 今回の『PART 2』をひと言で表現すると「砂の惑星アラキスを舞台に、PART 1でハルコンネン家によって虐げられたアトレイデス家の本格的な復讐が始まる」という流れ。アトレイデス家で生き残った後継者ポールを演じるティモシー・シャラメは、彼がハリウッド俳優にならなければリメイクできなかったあろうほどのハマリ役。終盤のクリストファー・ウォーケン演じる皇帝シャッダム4世とのシーンは、思わず「イヨッ!大統領!!」と声をかけたくなるほどだった。

 彼を助ける砂漠の民フレーメン役チャニは、新しい『スパイダーマン・シリーズ』でミシェル・”MJ”・ジョーンズを演じたゼンデイヤ。アクション映画にありがちな女性像と異なり、ポールを鼓舞するなどシリアスな演技を見せる。

 悪徳集団を率いるハルコンネン男爵役のステラン・スカルスガルドは“たいへんな重さ”の特殊メイクを抱えてシュールなまでのえげつなさを出す。

 そして、ハルコンネン家の悪役フェイド=ラウサを演じるオースティン・バトラーは「本当にあのエルヴィス・プレスリーを演じたのと同じ人物?」と思わせる“怪演”だった。

ハルコンネン男爵役のステラン・スカルスガルドは、来年の今ごろアカデミー賞の「メイクアップ&ヘアスタイリング賞」で話題になっているはず…。

 本作の魅力は、その俳優陣だけではない。惑星アラキスの砂漠では、自然の風や戦闘による爆発に翻弄される“砂つぶ”が、監督の「スタート!!」の声とともに演技をしているかのよう。

 数多くの群衆が入り乱れるシーンでは、奥にいるエキストラさえ衣装の手抜きがない。それらにヘア・メイク・小道具が加わるわけだから、スタッフの作業量は気が遠くなるほどだっただろう。

 宇宙船や古代の決闘場を思わせる数々の構造物は、IMAXの大スクリーンで展開することを計算しつくしたデザイン。

 さらに、シネコンの高価な座席が振動するかのような大音響とともに数々の見せ場が登場する。いかに高級なホームシアターといえども映画館にはかなわないことがわかる。

今回のテーマのひとつが「復讐劇によってポールが背負う葛藤」のように思えた。

 実は自分がニブイだけで、映画の専門家の方に言わせればあたり前かもしれないが、前作の『PART 1(2021年)』を見るまで『PART 2』があることを知らずに映画館で驚いた。

 今回も中盤で“超有名なハリウッド女優”が数秒間だけ登場し、あるセリフを口にする。それもストーリーの“キモ”になるほど重要な内容だ。

 そして、ティモシー・シャラメとゼンデイヤとの“新たな人間関係”に翻弄されているうちに、予想だにしなかったエンディングを迎え、いささか混乱状態に陥る。この作品による驚きは2回続いたわけだ。

 それは、あたかもドゥニ・ヴィルヌーヴ監督によって砂漠に放り出され、次のオアシスを目指して歩く放浪の民になったかのような感覚だった。


※この作品は3月15日(金)から T・ジョイ博多、ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13、ユナイテッド・シネマ福岡ももち、TOHOシネマズららぽーと福岡 ほかで全国ロードショー公開です。

ポールの母親レディ・ジェシカ・アトレイデスを演じたレベッカ・ファーガソン。彼女からも“ただならぬ空気”が漂ってきて…。

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