【フローリスト❶】「花手水舎」野田遵平さん
2026年07月19日

八女市に店舗を構えるフローリスト・野田遵平さん。
フローリストとは花屋の仕事から、葬儀や結婚式といった特別な日の装飾まで、花全般を手掛ける専門家です。
この日、野田さんが訪れたのは八女市の福島八幡宮。
参拝者が身を清める「手水舎」を、色とりどりの花で飾る「花手水舎」を制作するためでした。

今回の装飾は、一本一本の花を試験管に挿すという繊細な手法を用いています。
この方法では毎日の水やりが欠かせず、特に夏の暑い時期には、生花の寿命は約5日と短く、非常に手間のかかる作業となります。
花手水舎が広まるきっかけは、新型コロナウイルスの感染拡大でした。
柄杓が使えなくなった手水舎で、参拝者の心を癒やすために花を浮かべたのが始まりです。
この温かい試みは多くの共感を呼び、今では全国の神社仏閣で愛される風景となりました。

野田さんと花の出会いは、これまでの人生と深く結びついています。
5歳の時に小児白血病を患った経験から、自分に自信をつけたいと願った時に始めたのが花でした。
それ以来、花は常に心の支えで、野田さんに生きる力を与えてくれる存在となっています。

そんな野田さんが未来に残したい風景は、福島八幡宮の花手水舎です。
毎月、花手水舎を楽しみに参拝に訪れる人々も多いそうです。
今、厳しい時代と言われる花業界で、野田さんはフローリストとして「この地域にないものを作りたい」と常に考えています。
花を通して人々の心を癒やし、その仕事の価値を未来に伝えていく。
野田さんの挑戦は、ふるさとに新しい彩りと希望をもたらしています。