【靴屋と仕立屋❷】「ポケットの意味」 黒木雄平さん
2026年03月08日

みやま市にある「クロキビスポークルーム」。
店主の黒木雄平さんは、スーツの仕立屋として腕を振るいます。
彼の役割は「フィッター」。
顧客の体を細かく採寸し、その人だけの理想の一着を仕立てます。
黒木さんは自身の仕事を「建築でいうと設計士みたいなもの」と語ります。

オーダースーツの魅力は、細部にまでこだわりを反映できること。
例えばボタンの色は、基本的に生地の色に近いものが選ばれますが、選び方一つでスーツの印象は大きく変わります。
ネイビーの生地にネイビーのボタンを合わせれば生地の紺色が前に出る印象になり、茶系のボタンを合わせればチェック柄の茶色のラインが引き立ち、よりカジュアルな印象になります。

スーツのディテールには、かつての暮らしを映す機能美が隠されています。
例えば、ハンティングジャケットに見られる半円状の大きなポケットは、もともと狩猟で捕らえた小動物を入れるためのものでした。
一つひとつのデザインにこめられた物語を知ることで、スーツへの愛着はさらに深まります。
「オーダーメイドの楽しさを継承していきたい」その一心で、今日も顧客と向き合い、世界に一着だけのスーツを仕立て続けています。

黒木さんが未来に残したいと願うふるさとの風景は、みやま市にある「清水山」です。
天に向かって真っすぐに伸びる竹林が広がり、木漏れ日が差し込む光景は幻想的な雰囲気を醸し出しています。
黒木さんは、この美しい景色をぜひ多くの人に体験してもらいたいと願っています。