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【八女提灯❷】「途切れずに」北村愛理彩さん

2025年08月17日

2025年8月17日(日)放送の「九州リースサービスプレゼンツ STORY」では、八女市緒玉を訪れ、八女提灯を製作する北村愛理彩さんに迫ります。

盆提灯として日本一の生産量を誇る八女提灯には、お盆に故人やご先祖様が迷わずに家へ帰ってこられるように、明かりで道を照らすという意味がこめられています 。しかし、生活様式の変化や高齢化の影響で、この20年で生産量は減少し、作り手の数も3分の1にまで減ってしまいました 。かつての勢いは失われつつあるこの伝統の「灯(ともしび)」を途切れさせないようにと、日々奮闘しているのが、シラキ工芸に入社して3年になる北村愛理彩さんです。

大学で経済を学び、八女提灯とは無縁だった北村さんの心を動かしたのは、提灯の火袋に描かれた、かれんな花や日本らしい風景でした 。その美しさに心を奪われ、絵師になることを決意したのです 。そんな彼女を指導しているのが、前回ご紹介した増永葵さんです 。増永さんもまた、入社するまでは提灯とは無縁の生活を送っていましたが、今では八女提灯の文化を守る絵師の先駆者となっています。

増永さんのような美しい線を描けるよう、日々研さんを積む北村さんですが、現在は主に「貼り師」として、コンパクトサイズの提灯製作を担当しています 。八女提灯の伝統製法である「一条螺旋式」でヒゴを巻き、和紙をはって火袋を完成させていきます 。素朴な美しさの中にある、和紙と和紙が重なるわずか1ミリの余白が、手作業の温もりを伝えてくれます 。

北村さんが未来に残したい風景は、八女市の田園風景です 。太陽に照らされキラキラと輝く稲穂と、心地よい風を伝える小さな風車 。仕事中の顔とは違う柔らかな表情で、増永さんと八女の自然を楽しんでいる姿が印象的でした 。

「絵師と貼り師はどっちが好き?」 。増永さんの問いに悩む北村さん 。約200年続く八女提灯の世界では、きっとこのような会話が幾度となく交わされてきたことでしょう 。伝統というものは、このようにして、人と人との繋がりによって、そして日々のたわいもない会話の中で継承されていくものだと、改めて実感させられました 。

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有限会社 シラキ工芸

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