【鉄鋼業❷】 「自然と町と鉄」高辻愛子さん・林渓太朗さん
2025年10月26日

北九州市若松区にある町工場「樫本商店」。
物心ついた頃から鉄に囲まれて育った経営企画部長の高辻愛子さんにとって火花を散らしながら鉄を扱う職人たちの姿は、幼い頃の原風景です。

かつては職人がガスを使い、火花を散らしながら手作業で鉄を切断していましたが、工場の風景は大きく変わりました。
最新のレーザー加工機などが導入され、職人の技術も変化。
入社4年目の林渓太郎さんのような若手でも、精巧な加工が可能になりました。

コロナ禍にはじめたBtoC事業。
その中でも、鉄だけで組み立てられるシンプルな“たき火台”は大ヒット商品となりました。
鉄の新たな可能性を見いだしただけでなく、地元北九州市に貢献したいという深い思いも込められています。
「北九州が活性化する一助でも担えることができればいいなと思ってます」と語る高辻さん。
ふるさとの未来を見据えています。

たき火を囲みながら、高辻さんは「自然と鉄と、いろんなものづくりが北九州に一緒に残っていくといいなと思います」と締めくくりました。
響灘の洋上には、地域にエネルギーを供給する風車が浮かび、その上空で月が煌々と輝いていました。