夏の音(福岡県福岡市)
2021年08月08日
江戸時代から続く、和太鼓の専門店で八代目として伝統を継ぐのは「梅津太鼓店」の梅津義博さん。
博多を代表する「太鼓の音」…博多祇園山笠の追い山スタート時の太鼓も、梅津さんが手がけたもの。
胴の両面に張る革は牛種、産地、食草、雌雄によって厚さが違うため、掌で厚みを確認しながら厚みを均等にそろえていく。
季節や温度・湿度で革の状態が変わるので、そこは職人としての長年の勘で仕上げるという。
革の張り替えは、丁寧に仕上げれば、20~30年は持つ代物なので、“今、手掛けている太鼓は次に会うことはないかもしれない…”と思いながら、より丁寧に仕上げて太鼓を送り出している。
そんな梅津さんが未来に残したい風景は「愛宕山から景色と自然」。
山の上にある愛宕神社から見る景色は、博多湾が広がり、福岡タワーも見渡せる。
愛宕山の自然に惹かれて、山の麓に移住したという梅津さんは、景色だけでなく、愛宕山の緑も、大切にしていきたいと願う。
週末になると聞こえてくる、愛宕神社からの太鼓の音…これもまた梅津さんが手がけたもので、太鼓の音を聞いて自分の仕事を再確認し、安心する場所でもあるという。
近年コロナの影響で、お祭りや運動会が中止となり、太鼓の修理や手入れの注文が激減。
太鼓の音は、気分を上げたり、元気になるのが魅力なので、少しでも自分の太鼓の音で、疲弊した人たちを鼓舞してもらえたらと願う。