裾野を広げる（福岡県田川市）
2021年09月12日
田川市といえば石炭のイメージが強いが、石灰資源も豊富で、「黒いダイヤ」と呼ばれた石炭に対し、「白いダイヤ」と呼ばれ、親しまれてきた。
田川市・弓削田の山麓にある田川産業。
世界遺産でもある長崎県・大浦天主堂の修復にも使用された漆喰の専門店で、業界のトップランナーとして活躍している。
4代目の行平史門さんは高校時代からバイトとして漆喰の仕事に携わり、今では漆喰の営業や新商品の開発を主に行っている。
現在、漆喰業界は昭和のころと比べ需要が減少し、左官職人も少なくなってきた。
史門さんは、そんな漆喰の裾野を広げようと様々な活動・開発をしている。
なかでも多くの利用者に好評なのが「NURINURI」。
１００％自然素材にこだわった漆喰で、DIYを目的とした商品で、気軽に漆喰に触れる機会を増やすという、史門さんアイデアだ。
そんな史門さんが未来に残したい風景は「関の山」。
工場からも見ることが出来る、関の山は、純度の高い石灰石は採掘される山で、漆喰に携わる史門さんには欠かせない場所だ。
小さいころから見慣れてきた関の山は、史門さんの原風景で、今では公私に欠かせない、貴重な存在だ。
史門さんは今日もふるさとの資源で、多くの人から愛される漆喰を作り続ける。