麦と歩む（佐賀県小城市）
2022年05月15日
およそ100年。3代に渡り、昔ながらの製法で麦わら帽子を作っている森山製帽所。
祖父の代から使っている帽子専用のミシンでひとつひとつ丁寧に縫いあげている。
森山さんの作る麦わら帽子は目が細かく、しなやかで長持ちするのが特徴。
平たくつぶした麦の茎の部分を編み込んだ麦紐が原材料となるが、一本一本の幅が一定ではないため、片手の間隔と目で確認しながら、２ミリ程度の「ぬいしろ」を保ちながら縫っていく。
特に、頭の部分の傾斜が帽子の大きさを決めてしまうので、経験を重ねてないと思い通りの形を作るのは難しく、高度な技術が求められるという。
そんな森山さんが未来に残したい風景は「小城の麦畑」。
森山さんが生まれ育った佐賀県小城市では麦の栽培を多くしており、幼いころから見てきた慣れ親しんだ風景。
秋には黄金に染まった麦が風に揺れ、今の時期は青々と育った麦が緑の絨毯のように広がる。
麦わら帽子を作る身として、思い入れのある風景であり、また記憶に残る風景でもある。