「故郷への恩返し」 (福岡県築上郡築上町)
2024年06月09日
築上町で財布やキーケース、カバンなどの革製品を製作販売している「たけもとかばん」。
洋服を作ることが夢だったオーナーの竹本邦男さんは、33歳で脱サラして服飾の世界へ。
その後、革製品に惹かれ、ブランドを立ち上げ、東京で精力的に活動をしていたが、コロナ禍をきっかけに2021年にUターンして築上町に拠点を移し、工房を構えた。
竹本さんは、ほぼすべての作品に必ず「手縫い」の工程を取り入れている。
その理由は、パーツごとにリペアができる事で、長く使ってもらうことができるから。
ミシンで作るよりも4~5倍の時間はかかるが、そのひと手間で「手縫い」ならではのぬくもりや味わいが出て、より愛着がわき大事にしてもらえる。
難しいことをやっているわけではないが、そういう「思い」を持って製作することを大切にしている。
「自分が生まれ育った故郷へ何か貢献できることをしたい。」
竹本さんの今後の目標は「故郷への恩返し」だという。
過疎化が進み、人口が減少する中で、何とか地元の活性化につなげたいという思いから、ふるさと納税の返礼品を製作することで築上町へ貢献したり、町を盛り上げるため「クラフト教室」や「猫カフェ」も計画中だ。
一度東京に出たからこそ、この築上町の「自然」や「人とのつながり」などの魅力に気づくことが出来た。
生まれ育った町のために生きていきたい、と笑顔で語る。
そんな竹本さんが未来に残したい風景は「鬼の雁木の滝」。
毎朝、趣味のサイクリングで山間を走る竹本さんが、2~3日のペースで訪れるという築上町の景勝地だ。
仕事柄、あまり体を動かさないので運動とリフレッシュを兼ねてよく自転車に乗るという竹本さん。
新緑に囲まれた滝の清涼感、さらには、ひらけた山間から望むことができる築上町と周防灘は、気持ちをリセットしてくれて、一日の活力を与えてくれるという。